稲垣吾郎、世の中の“不可避”なテーマに対するフラットな振る舞い 『不可避研究中』を見て感じたこと

 また1つ、稲垣吾郎と共に知的好奇心が刺激される場所が生まれた――。

 12月27日に初回放送を迎えた『不可避研究中』(NHK総合)は、世の中の“不可避”な社会のテーマについてTwitter上で研究し、毎回1つのテーマを決定。思わず考えたくなるコンテンツを、NHKのディレクター5人が制作して届けていくというもの。

 しかも、オンエアに先駆けて、Twitter上でその映像コンテンツが公開されており、30分間の放送時間に入り切らなかった反省会風景もTwitterにアップされるという、チャレンジングな内容だ。異なる分野で活躍中のディレクター5人が、それぞれの得意分野を活かして制作したコンテンツだけに、個性豊かな仕上がり。最優先にしているのは、あくまでもそのテーマを考える「きっかけ作り」。きっと、人によってはグッときたり、「で?」となったりするのも当然。

 そんな「なぜ刺さったのか」「なぜ疑問に思ったのか」も含めて、「考えるきっかけ」となるのだろう。そこで感じたことを身近な人と話し合うのか、SNSなどを通じて発信するのか、あるいはより具体的な動きに繋げるのか。番組として一つを結論づけるというよりは、視聴者一人ひとりに、その先が委ねられているのが新鮮だ。

 また、稲垣と共にモデルの市川紗椰とYouTuberのそわんわん、3人でMCを務めているのも新しい。46歳の稲垣、32歳の市川、20歳のそわんわんと、異なる世代の3人がひとつのテーマについて語り合うというシーンは、今のご時世、日常でもなかなか見られない。まず、この世代を超えたコミュニケーションが穏やかに進んだことに、稲垣のMC力を感じずにはいられなかった。

 市川は、アメリカ人の父親を持ち、4歳から13歳までアメリカのデトロイトで育ったことから、日本の現状について冷静に見つめ、忖度なく切り込むスパイスの役割を果たす。一方、YouTubeで日常動画を配信して、多くの視聴者と友だちのような距離感で接しているそわんわんは、スポンジのようにぐんぐんと新しい価値観を吸収していく。

 そんな若い世代を前にして、実にフラットな振る舞いを見せる稲垣が印象的だった。知らなかったこと、わからないことを素直に認め、飾らずに驚いてみせる。また、自分の意見を臆さず主張しながらも、異なる意見も余裕を持って受け止めていくのだ。

 第1回から「ジェンダー」と、センシティブなテーマに切り込んでいったことから、番組冒頭で市川が思わず「ジェンダーの話になると、つい攻撃的になる方がいるから、ちょっと面倒くさいな〜と思って」と本音をこぼす。すると、稲垣の「面倒くさいけど、“不可避”だから。この番組のTwitterもコメントとか結構言われてますよね。コメント欄見てて、スタッフがかわいそうになっちゃった(笑)」と実にフランクに、この“面倒くさい”を乗り越える意義を伝える。

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