HKT48、『配信限定公演~chain of love~』で届けた希望 これからの成長も予感させたメンバーの姿

 「三密の場所を避けてください」という要請が出たのは、2月末のことだった。密閉・密集・密接を満たすライブハウスも例外ではく、各々が自粛の対応へ。時代の波は、福岡を拠点とするHKT48にも押し寄せた。3月1日から24日までの間、HKT48劇場は休館。「ステージに立ちたい」という少女たちの純粋な思いが叶わぬ状況が続いた。

 そんな環境下で企画されたのが、3月25日から31日の7日間に渡り公演された『配信限定公演~chain of love~』だ(29日は自粛要請のため中止になったが、当初は上演予定だった)。メンバーとスタッフで何度も話し合い開催を決定した同公演。そこに秘められているのは、「誰かのために何かをしたい」「こんな私にできることを一つでも」という愛へ繋がる思いだ。HKT48の名曲に希望をこめたライブは、たくさんの人に笑顔を届けた。

 公演を封切ったのは、チームメンバー、研究生が一緒にステージに立つひまわり組だ。オープニングアクトで「桜、みんなで食べた」を披露する姿は少し緊張しているように見えたが、キラキラした笑顔は絶えず健在。全日程のスタートにこの曲が選ばれたのは、〈次の未来でも しあわせな出来事が きっと待っているだろう〉という願いがこめられているようで、胸がギュッと苦しくなる。「カワイイな」とダンスを眺めていたキラーチューンが、こんな力を持つことになるとは思わなかった。

 その後も公演タイトルである「ただいま 恋愛中」を筆頭に、空っぽの会場でいつもと変わらぬライブが続いていく。変わってしまった日常に立つ彼女たちがいかに眩しかったかは、想像に難くないだろう。MCで本村碧唯は「ステージに立てるのも嬉しいけど、ファンの方に動いてる自分を見てもらえるのも嬉しい」と語っていたが、その思いはメンバー全員から惜しみなく溢れ出ていた。

 公演中にはTwitterで募集した質問に答える一幕も。通常のライブではできないようなMC展開は、配信公演ならではといっていいかもしれない。リアルタイムで質問を選び答えることで、離れていても近くにいるのだという実感がグッと増した。

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