IDOLiSH7 二階堂大和、ミステリアスな雰囲気の裏にある情熱の炎 優れた表現力持つリーダーのソロ曲を聴いて
アイドルは舞台の上でファンを惹きつけ、夢を提供する仕事だ。その意味でも二階堂の大人っぽい魅力は、アイドルがファンに与えるファンタジーとして王道とも言えるだろう。ずば抜けた演技力と彼がもともと持つ性質が合わさり、ステージという夢をさらに身近に感じさせることができる。アイドルらしくないように振る舞うことも多いが、やはり二階堂大和はアイドルとしても一流なのだ。
飄々とした佇まいも魅力の二階堂だが、本質は少し違うところにもあるのではないか——そう思わされる1曲が、「Love two you」というソロ曲である。
爽やかなメロディだが、自らの人生を変えた相手への愛を歌い上げたエモーショナルな大人のラブソングだ。飾らないスタイルの彼だからこそ、曲に込められた熱量にときめいたファンも多いだろう。
この曲が人を惹きつけるのは、もちろん純粋に幸せなラブソングであるというのに加えて、二階堂自身がアイドルという仕事や仲間への愛を歌った楽曲という側面があるからだ。この曲に登場する〈君〉を仲間やファンに置き換えてみると、二階堂が本当は誰よりも情熱的で、人をよく見ていて、自分よりも他人を思うことができる人だとわかる。
そう考えると、二階堂大和が優れた表現力を持ったアーティストであることも、メンバーに慕われるリーダーであることも至極当然に思えてくる。私たちが彼の表現に心揺さぶられるのは、彼があらゆる人をよく観察し、たくさんの情に触れてきたからである。何より、情熱は人を動かすことができる。彼の秘めた情熱は、観客の心を動かすだけではなく、IDOLiSH7にとっても大きな原動力となっているのだろう。この前提に立って、あらためてIDOLiSH7の楽曲や参加ユニット曲「ピラゴラス☆ファイター」や「男子タルモノ!〜MATSURI〜」、そして「My Friend」などを聴いてみると、卓越した演技力の裏側にある彼の優しく楽しい素顔が垣間見えるように思う。
メンバー愛に溢れたリーダーであり、演技や歌でその才能を発揮し続ける二階堂大和。〈そばにいると 自分でも知らない扉見つかるよ〉という歌詞の通り、IDOLiSH7のメンバーという強い味方を得て未知の扉を開いた彼は、新しい世界をどのように歩んでいくのか。そしてその世界では、どのような表現を生み出すのだろう。彼の中にある情熱の炎を、今後も追い続けたい。