「K-POPメンバー図鑑」Vol.6
BIGBANGの“バランサー”D-LITE、献身的なムードメーカーとしての役割 ソロ活動ではソウルフルな歌声と誠実な姿も
変わらぬポリシーが作り出すソウルフルな歌声
D-LITEは、2013年2月にアルバム『D’scover』で日本ソロデビューを果たす。グループの中でバランスを取るポジションだった彼にとっては、勇気のいる一歩だったと語られているが、ソロになることで、彼の才能が多くの人に見つかるきっかけにもなった(参考:【インタビュー】 D-LITE(from BIGBANG)、ソロとして新たな一歩「僕の音楽を聴いて力をもらってくれたら」。T.O.Pも応援)。
スキマスイッチの「全力少年」、MISIAの「逢いたくていま」、斉藤和義の「歌うたいのバラッド」など、J-POPをカバーした『D’scover』。常にポジティブな姿勢と、相手へのリスペクトを常に持つD-LITEだけに、その楽曲たちはオリジナルの良さとは、またひと味違った良作へと昇華されていた。
また印象的だったのは、MUSIC ON! TVの特番にて制作に携わったプロデューサー陣から「ちゃんと考えて、ちゃんと練習して、その結果、あの歌が生まれてきてる」(亀田誠治)、「自分が痛みを感じることで、高い表現にたどり着けるなら、喜んでボロボロになりますよっていうところがある」(松尾潔)と、歌に対する自己犠牲をもいとわない誠実な姿勢に絶賛の声が上がったことだ。
以降も、和田アキ子の「古い日記」や山本リンダの「どうにもとまらない」、鈴木雅之の「違う、そうじゃない」など往年の名曲を次々とカバーしていった。日本人なら多くの人が耳にしたことのある楽曲ばかり。ともすれば、「ちょっと違う」と聴かず嫌いされてしまいそうなところだが、D-LITEの歌声はオリジナルに負けないソウルフルな歌声で、リスナーを惹きつける。一度聴いたら、“この歌声はどこまで伸びていくのか“と聴き届けずにはいられない。
そんな歌声をどのようにD-LITEは作り出しているのか。先のインタビューでは「実は歌の練習って、歌うことだけではないんですよ。歌を聴いてイメージを考えることがもっとも重要で」と、たくさん聴いて考えることが大事なんだと続けていた。
ここでも、彼がとことんインプットを大切にしていることがわかる。まずは、愛を持って情報を吸収するということ。そして、その情報を踏まえて、自分自身が何をどう体現していくのか。それは人間関係にしても、そして音楽にしても変わらない。彼がどんなテイストの楽曲も歌いこなせるのは、高い歌唱力という才能に輪をかけた愛情深さがあってこそなのだ。きっとこれからもD-LITEは、メンバーを、ファンを、そして音楽を愛するすべての人を、楽しませるエンターテインメントを届けて続けてくれるはずだ。あの優しい笑顔と共に。