嵐 相葉雅紀、志村けんとの『志村どうぶつ園』での出会いが転機に 二人のあたたかな関係性を振り返る

二人の微笑ましいエピソード

 『VS嵐』(フジテレビ系)に志村がゲスト出演した際、相葉が突然、志村を「パパ」と呼んだことがある。「パパのために頑張ります」と宣言したのだ。

 嬉しそうに驚いた志村の、何とも言えない表情が忘れられない。「おまえに呼ばれた覚えないよ」と、志村は照れたように笑いながら、目を輝かせ顔をほころばせた。

 実際、これまで「パパ」などと呼んだことはないという。他愛ない瞬間に、ふっと自然にそう呼べてしまう。そこがまた、相葉の「かわいい」ところであり、愛される理由なのだろうと察する。

 また、相葉がゲスト出演した『あさイチ』(NHK総合)では、こんなエピソードも披露された。志村との初めての食事の場で、相葉は慣れない酒と緊張で酔い、志村の膝枕で眠ってしまったのだという。

 同番組では、この出来事について志村にたずねている。志村は「かわいいやつだなと思った」と話し、相葉のことを「礼儀正しくて、すごく素直な人」だと、ここでも彼の素顔の魅力を明かしていた。

追悼コメントに溢れる哀しみ、志村への想い

 志村は、あまりプライベートを公にはしていないが“家庭”を持たなかった。そんな志村にとって相葉は、まさに息子のような愛しい存在であったのかもしれない。弟子でもない、友人でもない、けれど“ただの共演者”ではない、不思議な関係。そこには、年齢も芸歴も超えた互いへのリスペクトと、確かな愛があった。

〈さよならするのはつらいけど 時間だよ 仕方がない 次の回までごきげんよう〉

 ザ・ドリフターズの大人気番組『ドリフ大爆笑』(フジテレビ系)のエンディング。笑顔でこう歌い、踊っていた志村。仕方がないと言われても、さよならするのはつらすぎる。どう考えても、あまりにも早すぎる。

 追悼コメントには、志村を想い、なんとか前を向こうとする相葉の心境が綴られていた。しかし、「ただ、もっと一緒に居たかった」「でも、悲し過ぎます」……どうしたって溢れる哀しみの言葉が、胸に刺さる。

 日本中の誰もがまだ、さよならは言えそうにない。せめて「ごきげんよう」の言葉を、そして「ありがとう」を、今は贈りたい。

■新 亜希子
アラサー&未経験でライターに転身した元医療従事者。音楽・映画メディアを中心に、インタビュー記事・コラムを執筆。
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