森朋之の「本日、フラゲ日!」vol.195
Kis-My-Ft2、DA PUMP……ダンスミュージック×男性ボーカルが生む独創的なケミストリー 新譜5作をピックアップ
iKONの『i DECIDE -KR EDITION-』は、2月に世界同時配信され、24カ国のiTunesで1位を記録したミニアルバムの日本国内盤。ブルースハープ、アコースティックギターの素朴な響きと鋭利なエレクトロトラックを結び付けたリード曲「Dive」、パーカッシブなリズム、ハードロック的なギター、そして、シャウトやフェイクを取り入れた歌声が一つになった「Ah Yeah」、シンセ、ベース、ビートによるシンプルなサウンドのなかで、メンバー個性を活かした歌とラップを堪能できる「All The World」などを収録(韓国オリジナルバージョン)。グローバルポップのトレンドを的確に掴んだプロダクション、個々のボーカルセンスを反映させたアレンジを含め、まさに世界レベルと言っていい。6人体制となって初の作品でiKONは、新たなフィールドに向かってしっかりと踏み出した。
海外のオルタナR&B、ヒップホップをバランスよく反映させたトラック、日本語をグルーヴさせる歌/ラップによって大きな注目を集めているSIRUPの新作EP『CIY』。トラックメイカー/MPCプレイヤーとして活躍するSTUTSとの共作曲「Need You Bad」、ロンドン出身のDJ・Joe Hertzがサウンドプロデュースを手掛けた「MAIGO feat. Joe Hertz」など、ポップネスと先鋭性を共存させた楽曲が収められている。“Choice is Yours”の頭文字をとったタイトルは、“愛をどう使うかが人生における最大の鍵”の意。このテーマを端的に示しているのが、「Your Love」における〈Our Love それぞれ理想がある/分け合おう 教えてよ〉というラインであり、そこに込められた“分断を乗り越えよう”という強い意思だ。
■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。