NEWSのアルバムプロジェクト4部作は現実を生きる私たちの物語ーー最終章『STORY』から感じたこと

 「ファンのみなさんと一緒に創りたかった」というメンバーの言葉通り、アルバム『STORY』の制作に際して、ファンから「“STORY”の手描き文字」、「現実のSTORY」そして「未来のSTORY」を募った。それぞれ「手書き文字」が2万3063件、「現実のSTORY」が1万6962通、「未来のSTORY」が2万4546通も寄せられたという(初回限定盤DVD映像より)。1人ひとりの想いが込められた手描きの文字は、ジャケットや衣装に散りばめられ、ファンの声も「君の言葉に笑みを」に収録。そんな挑戦的な取り組みが実現できたのも、このアルバムならではだ。

 よくよく考えてみれば、NEWSと長年タッグを組んでいるクリエイター陣もまた、NEWSのファンであることに違いない。ヒロイズム、☆Taku Takahashi(m-flo)ら、おなじみのメンバーに加えて、本作には加藤シゲアキがファンを公言している向井太一が参加。また、若きシンガーソングライターのeillも「STAY WITH ME」を提供し、Twitterで「NEWSさんに 楽曲提供させて頂きました “STAY WITH ME” 少年倶楽部にて歌って頂きました。 最高すぎて思わず涙。ありがとうございます。」とツイート。NEWSが、誰かの夢を叶える場所にもなっているのだ。そして、NEWSメンバー自身も4人で「クローバー」を合作している。

 出会いと別れ、喜びと悲しみを繰り返してきたNEWSの物語は今、こんなにも愛に満ちあふれている場所にたどり着いた。このアルバム4部作を通じて、彼らの表現力が大きく変化したのを感じたのは筆者だけではないだろう。紆余曲折を経て、肩の力がふっと抜けたような。そんなリラックスした心境だからこそ、気持ちよく歌声が通るのかもしれない。

 音楽で、ファッションで、文字で、トークで……様々な表現で楽しい時間を創り出せる楽しみを知ったNEWS。この『STORY』は、4部作の最終章ではあるけれど、〈一度きりの物語が 自分(きみ)のSTORY〉と歌う「NEW STORY」で締めくくられているように、終わることのない物語の一部なのだろう。NEWSが届けてくれるエンターテインメントは、これからも誰かの夢となり、そして私たちの現実のSTORYへと続いていく。

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