『G-NEXT』インタビュー:FAITHが語る、『Capture it』楽曲制作の裏側

FAITH『G-NEXT』インタビュー

Akari「ありのままの気持ちに近い歌詞が書けた」

ーーその環境でメジャー1stフルアルバムである『Capture it』を作られたわけですよね。今作をリリースするに至った経緯を伺いたいのですが。

ヤジマ:去年の年明けにかけて前作『Yellow Road』というEPを制作しているときから、アルバムを出したいねって話をしていて、収録曲の何曲かはその時に作り始めました。最初からコンセプトをがっつりと決めていたわけではなく、『Yellow Road』のリリース後にいざみんなで話し合って。メジャー1発目の作品になるから、自己紹介代わりというか、FAITHのいろいろな部分を出したいという思いで曲を作り始めました。そんな感じで、1年間弱くらいかけて、どういうコンセプトにしようか何度も話しながら内容を決めていきましたね。

ーーちなみに、『Capture it』というタイトルにはどんな思いが込められているのでしょうか? 直訳すると「捉える」や「魅了する」といった意味ですよね。

Akari Dritschler(アカリ ドリチュラー、以下:Akari):タイトルは意味先行ですね。10代最後に作ったアルバムだったので、「感情の一つひとつを切り取って詰め込む」というコンセプトが先に決まっていて、それに合う単語をずっと探していたなかで『Capture it』という言葉がハマりました。

ーーポップロックなサウンドが根底にありながらも、一曲ごとに様々な思いが込められているアルバムだと感じました。作り手であるみなさんの視点から本作の必聴ポイントなどをお聞かせください。

ルカ:俺が個人的に好きな曲は「By My Side」です。実はこの曲、レコーディングの時にゴム手袋をはめてクラップを録ってみたんです。色々試せて、楽しかったですね。アルバムは全体的にボーカルが前に出てくるような音源になっているので、ドラムのパターンはシンプルにしています。

藤子:今回の収録曲は、全部違った雰囲気があるように感じてます。私自身、“自分らしさ”に悩んで気持ちが落ち込んでしまったりすることが多くて、そういう時、最近はAkariの歌詞にすごく救われた気持ちになります。こういう話、普段あんまり直接しないんですけど……やばい、泣いちゃう……。特に「19」とか、周りに干渉されたくはないけどついついされてしまう、という葛藤がすごく自分に当てはまるんですよね。

Akari:一番近くに共感してくれる人がいるの、やばいな。嬉しい。

藤子:だって、自分のバンドで元気もらえてるって普通に考えてすごくない? だから、聴いてくれる人たちには私と同じ気持ちになってほしいです。

Akari:私は、「19」と「Caught Up in Time」がめっちゃ好きで。一番自分の等身大というか、ありのままの気持ちに近い歌詞が書けたかなって思っています。前作のEPから和訳も歌詞カードに載せるようにしているので、読みながら聴いてくれたらいいなって。

ヤジマ:俺的には、「19」の間奏のギターソロがとても好きです。アルバムを作る前までは、メンバー同士お互い自分のプレイスタイルもよくわかっていなかったので、レイとギターが2本いる意味を話し合ったことがあったんです。レイは俺のギターを“メロディのようなギター”ってよく言ってくれているので、このアルバムでは、それを踏まえつつ音色的にはファズみたいなサウンドも意識しました。その要素を「19」の間奏のギターソロでは上手く表現できたと思います。

レイ:このアルバムを作るときに、ざっくりと“ハッピー”とか“悲しい”といったテーマをいっぱい出して、それに準じて曲を作っていったんですけど、「Party All Night」は、まさにその“ハッピー”な要素が詰まっている曲ですね。全曲違ったカラーを持っているので、そこを感じてもらえたら楽しいかなって思います。

ーー全曲、作曲はメンバー全員で作られているんですよね? 最初はコピーバンドだったと先程も言っていましたが、オリジナル曲を作り始めたのはいつからなんですか?

ヤジマ:高1の夏頃からです。年に1度やってる地元の夏フェス的なイベントにアコースティックで出させてもらえることになって。すごく憧れのイベントでもあったので、その日に向けて「Summer」という曲を作ったのが始まりですね。その時からみんなでスタジオでセッションしながら作る、みたいなスタイルで曲作りをやっています。

Akari:『Capture it』を作った時はスタジオに一週間くらい篭ってました。

ヤジマ:Akariは、途中で飽きて外に散歩しにいって歌詞を書いて戻ってきて、みたいなこともしてましたね。突き詰めてるからだんだんわからなくなっちゃうことがあって、そういう時は一回忘れて遊ぶと、またアイデアが出てきて、頭がどんどん冴えてくるんです。今回は、切り替えながらも集中できる環境で作れました。

ーー2月からはリリースツアーも控えていますね。

レイ:今回、対バンは同世代が多いよね。初めて一緒にライブができるアーティストも多いし。

ヤジマ:そうだね。どのアーティストもカッコよくて、自分たちからオファーしました。ファイナルは東京で初めてのワンマンなので、今のFAITHをロングセットでたっぷり見てもらいたいですね。

ーー今回のツアー、とても楽しみにしています。最後に、皆さんにとって音楽とはどのような存在なのかをお聞かせください。

ルカ:う〜ん、今の自分だったら“LIFE STYLE”って感じです。人生においてずっと音楽を聴いていて、何かしら音楽と繋がっていたから、人生の一部というか、自分の一部というか。

レイ:音楽って、無くてもいいものじゃないですか。ご飯みたいに生活に必要なものでもないし。だけど、自分にとっては無いと生きていけないものだと思っています。あとは、音楽は人それぞれのものだとも感じています。それぞれかっこいいと思うポイントも違うので。

ヤジマ:俺は、“Nature”。なんか、生きてるのと同じように存在してるような気がします。気づいたら鼻歌唄ってる、みたいな。生活の一部って言っちゃえばそうなんですけど……“Nature”ですね(笑)。

藤子:さっきレイが言っていた通り、音楽の価値観って人ぞれぞれでいいのかなって思います。私自身はライブハウスに観に行くのがすごく好きなんですけど、同じ曲でもそのときの感情によって感じ方ってめちゃくちゃ変わるじゃないですか。そういうのが面白いなって思います。だから、音楽は生き物って意味で“Creature”です(笑)。

ーーでは最後にAkariさん、お願いします。

Akari:私にとっても、音楽は小さい頃からいつも生活の中にあって、流れているものですね。音楽を人に届けている側の人間としては、音楽自体は何も悪くないのに、自分が音楽に関わっていることでたまにちょっと窮屈に感じることもあれば、逆に音楽のおかげで安心したり気持ちが豊かになることもたくさんあるので、切っても切れないものというか。そういった意味では、ずっと側にあるものなのかなって思います。

取材:青木優生菜、上原虎起(日本工学院専門学校蒲田校コンサート・イベント科)
撮影:澁谷宗大(日本工学院専門学校蒲田校コンサート・イベント科)
構成:森はち

あわせて読みたい

・『G-NEXT』インタビュー:Kamin 音楽への思いと“夏の恋うた3部作”
・『G-NEXT』インタビュー:パノラマパナマタウン 『GINGAKEI』にも表れた音楽への信念
・『G-NEXT』インタビュー:The Songbards 『CHOOSE LIFE』制作を経た今後の展望

FAITH『Capture it』

■リリース情報
1stフルアルバム『Capture it』
2020年1月15日
¥2500(税別)

■ツアー情報
『FAITH 1st Full Album “Capture it” Release Tour 2020』
2月22日(土)大阪・アメリカ村BEYOND
OP/ST 17:30/18:00 
【ゲスト】竹内アンナ/The Winking Owl
2月28日(金)愛知・池下UPSET
OP/ST 18:30/19:00
【ゲスト】Mega Shinnosuke/and more
2月29日(土)長野・松本ALECX
OP/ST 17:30/18:00
【ゲスト】FINLANDS / ⽵内アンナ
3月6日(金)東京・TSUTAYA O-Crest
OP/ST 18:00/19:00
ワンマン
※チケット受付はこちら

その他ライブ情報
2月1日(日)長野・テレビ信州「冬の祭典2020」@長野市ホクト文化ホール駐車場特設会場
3月14日(土)or 15(日)熊本・HAPPY JACK 2020
3月14日(土)or 15(日)福岡・TENJIN ONTAQ 2020
3月21日(土)or 22(日)広島・HIROSHIMA MUSIC STADIUM -ハルバン’20- 
3月21日(土)or 22(日)香川・SANUKI ROCK COLOSSEUM 2020 -MONSTER baSH × I♡RADIO 786-
ほか随時バンドTwitterHPにて発表

FAITH公式HP

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる