キュウソネコカミ、the telephones、サンボマスター、NUMBER GIRL…2020年アニバーサリーイヤー迎えるバンドに注目

20周年:サンボマスター、TOTALFAT、ART-SCHOOL

 大きな節目である結成20周年を迎えるのはサンボマスター。1年間通して『サンボマスター感謝祭』を行なう予定であり、まずは15公演のワンマンツアーが4月より開催。20年に及ぶ活動というのは根強いファンに支持された賜物なのは間違いないが、彼らの血沸き肉躍るライブによって未だに新たなリスナーを増やし続けていることも大きな要因だろう。

 TOTALFATは、結成20年のタイミングで10枚目となるニューアルバム『MILESTONE』のリリースと同作のレコ発ツアーの開催が決定。2019年にkuboty(Gt)の脱退に見舞われたが、すぐさま3ピース体制での新曲もドロップ。20年を目前に再びフレッシュな気持ちでバンドと向き合った、痛快な楽曲が届けられている。

 現在活動休止中であるがART-SCHOOLも結成20周年を迎える。ASIAN KUNG-FU GENERATION、ストレイテナー、ELLEGARDENで三都市を回った『NANA-IRO ELECTRIC TOUR 2019』でも楽曲がカバーされるなど、この世代のバンドの同志として強く支持されている彼ら。その復活もそっと願いたい。2012年から活動休止中のレミオロメンもまた20周年。2019年には藤巻亮太(Vo/Gt)がレミオロメン楽曲をアコースティックアレンジしたアルバムをリリース。自主企画フェスの開催も活発であり、バンド活動再開も望まれるところだ。

25周年:グループ魂、NUMBER GIRL

 2019年はNHK大河ドラマ『いだてん』を完走した阿部サダヲ、宮藤官九郎ら大人計画メンバーを擁するグループ魂。コントユニットに端を発したパンクバンドである彼らが、2020年に結成25周年を迎える。元旦にはメンバーが七福神に扮した新たなアーティスト写真も公開され、公式サイトによれば「色々な企画を計画中」とのことで活発な動きが予感される。

 また、2019年に衝撃の復活を果たしたNUMBER GIRLも8月で結成25周年。目下全国ツアー中の彼らだが、その後もeastern youthとの対バンなど継続的な活動が告知されている。2019年に台風によって中止となった『RISING SUN ROCK FESTIVAL』もリベンジがあれば、結成月とも重なって壮絶な盛り上がりが期待できるはずだ。

 ちなみに、NUMBER GIRLによる現状最後のスタジオレコーディングは2002年に発表されたグループ魂の「あの歌の故郷を訪ねて」へのゲスト参加、という秘話がある。それ以降もNUMBER GIRLの首謀者・向井秀徳は宮藤官九郎作品に度々楽曲提供を行っており、切っても切れない関係にある。個人的にはこの2組の活動が同時に存在する2020年、何か起こるのではないかと楽しみにしている。

 こうしてまとめてみると、驚異的なオリジナリティで長きに渡ってシーンの中で存在感を示してきたバンドたちが2020年にアニバーサリーイヤーを迎えることがわかる。2020年、東京オリンピックという一大イベントを控えた日本をさらに加熱させる刺激的な稼動が予感されるバンドばかり。ベスト盤やキャリア総括ツアーも期待できるアニバーサリーイヤー、その音楽に触れる絶好の機会かもしれない。

■月の人
福岡在住の医療関係者。1994年の早生まれ。ポップカルチャーの摂取とその感想の熱弁が生き甲斐。noteを中心にライブレポートや作品レビューを書き連ねている。
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