稲垣吾郎、世の中の“不可避”なテーマに対するフラットな振る舞い 『不可避研究中』を見て感じたこと

 もともとジェンダーについて寛容なタイプだと自認していた稲垣であっても、収録後には「知らないって結構怖いなって思って」とコメントを寄せる。「人間の多様性、いろんな個性の人がいるってこともぼんやりわかってはいたんだけど、ちゃんと一人ひとりと向き合って知っていくってことが大切なんだなって思いました」とも。なんとなくわかった気になって考えようとしなかったことを、反省したのだという。

 また、Twitter上に上げられたMC3人とディレクター5人による反省会のVTRでは、ジェンダーにとらわれない社会を実現していくべきなのではないか、という大きな結論が出そうになったところを「(ジェンダーの多様化によって)崩れていくことってあるのかな。マイナス面も考えたくなっちゃった」と、一面だけにとらわれないようにしようという姿勢も見られた。

 人生の先輩として自分の価値観を押し付けてしまったり、新しい考え方を頭ごなし拒絶してしまったり、あるいは変に迎合していくこともしない。何歳であっても、どんな性別であっても、何の職種でも、キャリアが異なっても……個人と個人であることをまっすぐに捉えていればこその対応が、この番組の芯となっているように感じた。

 「僕も一緒に、みなさんと反省会、会議をしながら、新しい不可避な問題を見つけて、みなさんと一緒に意見をぶつけていきたい」“稲垣吾郎と共に、より思慮深い人生を目指す”そんな、新年の目標を立ててみるのもいいかもしれない。次回は2月28日放送。第2回のテーマは「#外国人とニッポン」だ。番組Twitterに上がるコンテンツを見ながら、自分自身の考えを巡らせオンエアに備えたい。

(文=佐藤結衣)

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