『ONE in a Billion』特集インタビュー
スカイピースが語る、メジャーデビュー以降の変化と歌手活動への強い思い「“人間”としての成長に繋がっている」
メジャーデビューで「責任感が前よりも重くなった」
ーー『ワンビリ』ではグランプリ獲得者に即デビューの権利が与えられます。スカイピースのおふたりは、YouTuberから2017年にアーティストとしてメジャーデビューしましたが、メジャーデビューする前と後で、何が変わりましたか?
☆イニ☆(じん) :自分たちの活動方針は変わることなく、動画は毎日投稿し続けています。ただ、今まで曲を発表した時は、自分たちのチャンネルでしか曲が流れなかったけど、メジャーデビューして、ラジオやテレビなどでも流れるようになりました。個人的に驚いたのは、街中で自分たちの曲が流れてきたこと。自分たちの曲が流れる場所、聴いてもらえる範囲が広がったことは、すごく変わったなと思います。
テオくん:責任感が、前よりも重くなったと思います。YouTubeをはじめ、SNSでの活動は自己管理、自己責任なので、炎上しても被害は自分たちだけ。もちろん内容にもよりますが、迷惑がかかっても基本的には相方くらい。メジャーデビューして関係者が増えると、「しっかりしなきゃな」「子どものままじゃダメだな」って、責任感が前よりはつきました。そう思えるようになったのは、人間としての成長に繋がっているなと思います。メジャーデビューというのは、単に言葉だけじゃなく、そういうものなんだなと実感しましたね。
ーー歌の活動は、もともとやりたいと。
テオくん:相方が、ずっと歌をやっていて。自分は、好きだけど作るとか自分がステージに立つとかは考えたことがなかったんです。でも相方とやっていくうちに、音楽をやることがすごく楽しくなったし、これがスカイピースの唯一無二の武器だなと思えるようになって。それで、その武器をどんどん磨いていった形です。
ーーネットで歌うのとリアルで歌うのでは、やっぱり違うと思うのですが、そこで気持ち的に変化は?
☆イニ☆(じん) :自分はずっとニコニコ動画の「歌ってみた」で歌い手としてやっていて、ボカロの曲をラップでアレンジして歌ったりなどしていて。その時はライブのことまではまったく考えもせず、言葉を詰め込めるだけ詰め込んで、息継ぎをするところがないくらいの感じで作っていたんです。でもメジャーデビューしてからは、ライブでちゃんとお客さんに聴かせるということになって、それからは自分にムリのない曲を作ろうと思うようになりました。あと、昔はライブで盛り上がる曲と言うと、合いの手のフレーズを入れておけばいいくらいに思っていたけど、メジャーデビューして実際にライブを重ねていくことで、「ここをこうしたらもっと盛り上がる」とか、想像が付きやすくなってきましたね。だからその点では、お客さんのことやライブのことを考えて作れるようになりました。
テオくん:直にファンの方々のリアクションをいただけるのは、嬉しいです。YouTubeでもリアクションはあるけど、カメラに向かって歌うのと、実際にお客さんを前にして歌うのではやはり違います。お客さんの前だと上手く歌えない時もあったり、緊張してしまう時もあるけど、それがむしろ楽しい。ステージが練習の場と言うとあれですけど、ステージに立って実際に試していかないと分からない部分がたくさんあって、春のツアーではこれが出来なかったけどこれが出来た、次のツアーでは前に出来なかったことが出来たとか、そうやって成長していくんだと思うんです。立つたびにいろいろなことを試せて、実際にスキルアップしていく場、それが僕らにとってのライブだと思うので、すごく好きな場所です。
ーー失敗や緊張することも、成長の一つと考えていると。
☆イニ☆(じん) :でも僕は、すごく緊張するタイプなので。ツアーで何十カ所と回っていても、毎公演緊張するんです。それは慣れないし、嫌ですね(笑)。緊張って、面倒くさいじゃないですか。いちいちドキドキして、疲れます。きっと、ずっとそうなんだと思う。連日ライブをやった時に声が出なくなった時があって、その日のことは今でもトラウマのように残っています。
テオくん:1曲目で、声が裏返ったもんね(笑)。
☆イニ☆(じん) :出番の直前まで吸入器をノドに当てていたんですけど、それなのに1曲目でいきなりかすれちゃって。あの瞬間のことは、忘れられないです。
ーーその日は、結局最後までできた?
☆イニ☆(じん) :それは、最後まで走りきれたんですけど、正直、自分の中では納得出来る内容ではありませんでしたね。
ーーテオさんは、緊張はしない?
テオくん:あまりしないし、だから大きな失敗も少ないですね。ただ後になって「もったいなかったな」と思うのは、歌詞を間違えないようにということばかりを気にしている時です。本当は、自分たちの書いた曲をお客さんに「こういうメッセージ性があるんだよ」って伝えたいと思っているのに、「次の歌詞、何だっけ?」って。メジャーデビュー以降は、より「伝えたい」と思うようになったんです。例えば自分は基本的にバラードが好きなんですけど、改めて曲で大事なのはメッセージ性だと思うようになりました。明るいアッパーの曲でも、楽しいというメッセージが、伝わってくる曲は伝わってくる。だからメッセージを伝えるということを、意識して歌っていきたいと思うようになりました。特に『ワンビリ』のようなオーディションは失敗への不安もあると思うんですけど、そこだけに気を取られず、“何かを伝えたい”と常に心がけることは人を惹きつける上でも大事だと思います。
喜怒哀楽のどれでも感情を動かせるグループになりたい
ーーやってみないと分からないことが、いっぱいあるわけですね。今までの活動の中で、お二人の背中を押してくれた大きな出来事はありますか?
☆イニ☆(じん) :スカイピースを結成して最初に目標としていた、Zepp Tokyoでのワンマンライブです。それまでは自分たちの尊敬するアーティストがたくさんZeppのステージに立っていて、それを客席側からずっと見ていたから、すごく憧れがあって。Zeppに立った瞬間はあまりの感動で、その気持ちを歌詞にしたことがあるほどです。最初にスカイピースでライブをやった時は、ワンマンじゃなくて、事務所の他のアーティストが60人くらいいたうちの一人だったから、初めてZeppのステージにワンマンで立って見た客席の光景は本当に美しかったです。
テオくん:自分たちは、他のアーティストのライブを観て感化されることが多くて。友だちのみやかわくんがZeppもワンマンも自分たちより先に成功させていて、それを間近で見ていたから、余計に「あそこに立ちたい」と思うようになって。『ファンフェス』(『YouTube FanFest Japan』)というYouTubeのイベントに観客として観に行った時にも、「あのステージに立ちたい」と思って、その後そこに立つことが出来ました。一度観客としてそのステージを観て、「あそこに立ちたい」と思う、その気持ちが毎回自分たちの背中を押しているって思います。
ーー目標があること、背中を追える先輩や仲間がいることが必要ですね。
テオくん:そうですね。でも僕らも今はステージに立つ側になれたので、僕らを見て「スカイピースみたいになりたい」と思って頑張ってもらえるような存在になっていきたいです。
☆イニ☆(じん) :これから合宿審査も行われますが、『ワンビリ』に参加しているみんなも、ライバルでありながらも一つの夢に向かって挑戦している同じ仲間だと思います。この機会に一緒に高みを望める人を、見つけてもらえたら良いですし、そういう関係性を視聴者が楽しむこともリアリティーショーの醍醐味だと思いますね。
ーー今後は、どういう音楽をやっていきたいですか?
☆イニ☆(じん) :やっぱりスカイピースは、ポジティブな存在だと思っているので、楽しくなるような、人の心を動かせるような活動をしていきたいです。
テオくん:喜怒哀楽のどれでも感情を動かせるグループになりたいと思っています。スカイピースの動画を見て、面白かったと思ってもらえることも一つの感情だし。何かしらを受け取っていただきたいし。怒の感情でもいいんですよ。僕たちも人間なので、ファンの方の期待に応えられなくて、どこかで怒らせてしまうこともあると思うんです。でも、その後に挽回して、そこで涙があって笑いがあって、最終的にみんなに楽しんでもらえたらそれで良いんじゃないかなと思います。
ーースカイピースの次なる目標は?
テオくん:横浜アリーナです。たぶんYouTuber発のアーティストでは初じゃないかな? 何をもってYouTuberと呼ぶのかで変わると思いますが(笑)。でも自分たちは欲張りなので、YouTuberとアーティストのどっちも頑張りたいと思っているんです。やるからにはYouTuberとして登録者数300万人を目指し、アーティストとしては横浜アリーナを目指します。
☆イニ☆(じん) :しかも横浜アリーナ満席で!
ーー『ワンビリ』の参加者をはじめ、今後はネットから出てくる人もどんどん増えてくると思います。スカイピースに続く、そういった後輩たちに向けて、何か伝えたいことは?
テオくん:僕らも負けないぞって(笑)。自分たちは決して先輩だとは思っていないし、自分たちもまだまだ上を目指している一人に過ぎないんですけど……。必死に追いついてきてください。ただし、追いつかれないように自分らも走り続けるので。よく「自分もすぐ上に行くから待っていて下さい」って言う後輩がいるんですけど、「待つわけないやん!」って(笑)。
(取材・文=榑林史章/写真=林直幸)
■オーディション情報
『ONE in a Billion』
<概要>
世界で活躍をする次世代の才能を探し出すオーディションブランド『ONE in a Billion』
2019年9月より始まる第1シーズンは“声”をテーマに、男性ヴォーカリストを募集。
オーディションの様子は番組公式アンバサダーにスカイピース、番組公式MCにガーリィレコードチャンネルをむかえ、YouTubeチャンネルにて10月25日より配信開始。
グランプリは2020年春、ソニーミュージックよりメジャーデビュー。
公式サイト
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