Foorin「パプリカ」、なぜ子供から大人まで心を掴む? 米津玄師、Foorin team E……各バージョンから伝わること

 そして先日、Foorin楽団による「パプリカ Foorin 楽団バージョン」のMVが公開された。Foorin楽団は、Foorinが病気や障害のある子供たち10人と結成したもの。集まった10人の子供たちの障害は、視覚障害、聴覚障害、身体障害、発達障害などさまざまだという。歌やダンスだけでなく、“ドラム”や“ピアノ”、“ガラクタ楽器”、“手話”や“ボディパーカッション”など、それぞれ好きなこと、得意なことでパプリカが演奏されている。一聴するだけで様々な楽器が加わっていることがわかり、にぎやかで楽しい雰囲気だ。タップダンスや、ドラムのソロなど、各メンバーが「見せ場」を担っているのも印象的。ダンスに加え、ボディパーカッションはリスナーも真似すると楽しそうであり、親しみを感じるMVになっている。

<NHK>2020応援ソング「パプリカ」『Foorin楽団』ミュージックビデオ

 昨年夏に発表されたとは思えないほど、長く愛されている「パプリカ」。「応援ソング」という位置づけでありながら、「頑張れ」「壁をこえよう」と直接エールを送られるような歌詞ではない。しかし同曲は、はしゃぎまわっていた子供時代の自分に、背中を押されているような気持ちになる。〈ハレルヤ 夢を描いたなら 心遊ばせあなたに届け〉と歌われると、大人の凝り固まった心を、少し解放してあげたくなる。この一年、街でこの曲が流れ、思わず踊りだしている子供たちを何度も見かけた。子供と大人、両方の心を掴む「パプリカ」。2019年のうちに、改めて聴いてみてはいかがだろうか。

■深海アオミ
現役医学生・ライター。文系学部卒。一般企業勤務後、医学部医学科に入学。勉強の傍ら、医学からエンタメまで、幅広く執筆中。音楽・ドラマ・お笑いが日々の癒し。医療で身体を、エンタメで心を癒すお手伝いがしたい。Twitter

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