内田真礼のライブにある何度でも足を運びたくなってしまうパワー 豪華演出も駆使したZepp Tokyo追加公演を見て
本編終盤に披露したのは、田淵智也らしい粋狂なフレーズ全開の「共鳴レゾンデートル」。“レゾンデートル”とは“存在証明”を意味する言葉で、内田が時に舞台に跪きながらシャウトした〈共鳴したい?(共鳴しよう)〉という曲中の歌詞は、まさに彼女とファンの関係性のあり方を体現するものだった。同曲がこの日一番の盛り上がりを見せたのも、彼らが内田の音楽活動に対して常に“挑戦”や“前進”を望み、同じ方向を向いているからだと思われる。
アンコールでは、2020年3月18日に10枚目となるシングルを発売し、同年7月5日には念願の神奈川・横浜アリーナにてライブを開催することが明らかに。そんな明るい発表を受けて披露されたファンへのメッセージソング「Step to Next Star!!」には、ファンの喜びもひとしおだったように感じる。ライブ終了後、彼らを信頼する内田が満面の笑みを弾けさせていたことが、その何よりもの証拠となるだろう。
これまで内田を育ててきた優れたトラックリスト、工夫をこらしたステージ演出、そのすべてを受けて全身全霊で音楽を楽しむ内田自身。彼女のライブに圧倒的な“当事者意識”を覚えるのは、その空間こそ自分自身の“存在証明”と胸を張れるほど、力強く色濃いパワーを持っているからではないだろうか。だからこそ、内田真礼のライブには何度でも足を運びたくなってしまうのだ。
(取材・文=一条皓太)