堂本剛、V6、亀梨和也、Kis-My-Ft2……『2019 FNS歌謡祭』第2夜出演ジャニーズに見る“覆す力”

 今夜放送の『2019 FNS歌謡祭』(フジテレビ系)第2夜。世代を超えて愛されるジャニーズアイドルたちが多数出演する中で、堂本剛、V6、亀梨和也、Kis-My-Ft2のベテラン勢に注目したい。長年、第一線で活躍してきた彼らの歩みを振り返ると、共通して“覆す力”が見えてくる。

アイドルの可能性を広げていく堂本剛

 ジャニーズ=キラキラな王子様なイメージを、いい意味で覆したのがKinKi Kidsだった。明るくてフレッシュなジャニーズソングが歌われる中で、マイナーコードの楽曲が似合う憂いを帯びた歌声。バラエティでは気怠げな言動で笑いを誘い、コンサートでも甘いセリフやファンサービスよりも、まるで漫才のようなファンいじりで盛り上がる。「世間には僕だけがよく“変わってる“って取り上げられるけど、もともとKinKi Kidsがジャニーズ事務所の中で浮いている。浮いてるということはオリジナリティがあるということだから、とても光栄なことなんですけどね」と、雑誌『音楽と人』のインタビューで堂本剛も語っている通り、ジャニーズにおいて彼らの存在はまさに唯一無二だ。

 2002年より、KinKi Kidsという枠に収まらない個性を、さらにソロ活動で広げてきた2人。堂本剛は、より感覚を楽しむ音楽へと掘り下げ、FUNKというジャンルに出会う。「TUTUTU……」と口ずさむうちに出来上がったという「TU FUNK」を筆頭に、ガチガチになった頭や、頑なになった心を、ぐんにゃりとさせてくれる作品も多い。そんな堂本剛が、今夜のステージでは生放送中にオリジナルソングを制作するというから興味深い。

 Gakushiなど信頼をおくミュージシャンから、ジェニーハイのくっきー!、ゆりあんレトリィバァなど、ユニークなメンバーで結成された「堂本剛FUNK同好会」との化学反応も予測不可能だ。

 昨年9月に『SONGS』(NHK総合)でも、大泉洋に捧げる即興FUNKを披露した堂本剛。バンドメンバーや観客とリズムに乗りながら、「oh spring YO、mojya mojya」と楽しげに制作していく姿が印象的だった。何が飛び出すかは、音を出してみないとわからない。脳みその中では答えのでない何かにぶち当たっている人にこそ、堂本剛のライブは必見だ。

デビュー25周年を目前に控えたV6

 1995年のCDデビュー以来、メンバーの入れ替わりがなく歩んできたV6。変化の激しい芸能界で、本当に稀有なグループだ。『学校へ行こう!』(TBS系)で人気を博し、学生たちの“先輩的お兄さん“というイメージが強かったからか、坂本昌行(48歳)、長野博(47歳)、井ノ原快彦(43歳)、森田剛(40歳)、三宅健(40歳)、岡田准一(39歳)と今一度彼らの年齢を聞いて、驚きを隠せない。たしかに、舞台やミュージカル、ドラマ、映画、バラエティと、各方面で活躍する彼らは大御所と呼ばれるにふさわしい域にいる。だが、6人集まるとキャッキャッと実に無邪気で、その姿はデビュー当時から変わらないのだ。

 俳優として大ブレイクした岡田も、V6の中ではいつだって手のかかる末っ子だし、情報番組『朝イチ』で絶大な信頼を得た井ノ原も、V6の中では朝からハイテンションで騒がしい兄ちゃん扱い。坂本と長野が父と母、井ノ原を筆頭に4人兄弟のような関係図がずっと変わらない。だからこそ、親戚を見ているような身近さに通じているのかもしれない。歌っても、踊っても、喋っても……いつだって安定感があるV6のパフォーマンス。彼らはいつだって当たり前のように、飄々とこなしてしまうから、日頃はなかなかその凄さを感じることは少ない。それに気付かされたのは、2015年の歌番組『ベストアーティスト』での全員バク転を披露したときだった。改めてその衰えを知らない身体能力に、拍手喝采が上がったのを覚えている。

 アイドル=少年たちの瞬間的な輝きという概念を覆し、長い人生を共に楽しむものへ。結婚などのライフイベントにおいても、ファンと喜び合える仲へと昇華させたのも、彼らの偉業と言えそうだ。今夜のライブでも、キレのあるダンスにトーク、そして三宅健がラジオで予告した「わかる人にはわかるやつ」というアイドルサインも飛び出すだろう。その安定感抜群のパフォーマンスの凄みを、改めて感じてほしい。

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