嵐、A.B.C-Z、ジャニーズWEST、Hey! Say! JUMP、Kis-My-Ft2……キラーチューン揃った9~11月新作

 すっかり冬の足音が聞こえてくる季節。この時期になると、年末の音楽番組や紅白歌合戦、カウントダウンライブなど気になるトピックが増えてくるだろう。

 今年ジャニーズリスナーの間で話題を集めた楽曲は多岐に及ぶが、令和という新たな時代にドロップされた楽曲のどれもが各グループ/アーティストにとって歴史に残るキラーチューンだったことは間違いない。今回は、今年9月から11月の間にリリースされたジャニーズグループの最新作をまとめて振り返ってみたいと思う。

嵐『BRAVE』

 今年の日本中の話題をさらった『ラグビーワールドカップ』。その日本テレビ系中継を彩ったイメージソングとしても多くの人の耳に触れたであろう「BRAVE」は、嵐がこの20年間ブレずに貫き続けてきたパンチの強さと闘争心を、久しぶりに全面に押し出した男臭く逞しい応援ソングだ。

 ワンコーラス目から感じられるのは、サウンド、歌メロ、そしてメンバー5人の歌声といったすべての要素がとても重心が低く、地に足の着いた力強さを感じられる点。エレキギターやホーンセクション、さらには和楽器など多様なサウンドを取り入れたトラックメイキングはともすればはちゃめちゃな印象になってしまいかねないが、すべてが絶妙な調和を見せ、5人の朗々としたボーカルの力強さを見事に引き立てている。

 特に注目したいのが、櫻井翔がシングル曲としては約3年ぶりに手掛けたラップ詞だ。〈犠牲も捧げて We’re gonna take it/闘いのあとなら全てを讃えて〉と櫻井らしい言語センスと漢気に裏打ちされた言葉で綴られるリリックは、もちろんラグビーという競技に則ったものではあるが、まさに5人でスクラムを組むようにして突き進んできた唯一無二のグループ・嵐が掲げてきた誇りをも物語っているかのようだ。

A.B.C-Z『DAN DAN Dance!!』

【A.B.C-Z】「DAN DAN Dance!!」ミュージッククリップ

 8月のフルアルバムリリース以降も全国ツアーや主演舞台など、精力的なステージングを続けてきたA.B.C-Zの最新シングル曲「DAN DAN Dance!!」は、東京ジョイポリスとのコラボイベントのイメージソングにも起用されたパーティチューン。

 サビで繰り返される〈連れてって!〉というフレーズが印象的な今作は、聴いているだけで思わず身体が動き出すようなファンキーさがありながらもその根底にはレトロなディスコティックの雰囲気も。A.B.C-Zが元来から貫き続けているジャニーズグループらしいショータイム感をしっかりと堪能できる仕上がりになっている。

 一方で、聴き込めば聴き込むほどにトラックの作り込みの深さに気がつくのも楽しいところ。レトロなサウンドにミクスチャーヒップホップ的なアプローチがナチュラルにミックスされていて、コアな音楽ファンが聴いても「おっ!」と思うポイントが随所にちりばめられている。

 そんな細かいことは置いておいても、思わず家から飛び出して楽しいことを探しに行きたくなってしまうようなポップでハッピーなサウンド、そしてメンバーの安定感あるボーカル回しは良曲そのものだ。表題曲のみならずカップリングも、初回盤A・B、通常盤とそれぞれ5人の個性的な歌声を楽しめる楽曲が揃っているのがニクい。全バージョン聴くべし1枚だ。

ジャニーズWEST『Big Shot!!』

 ポップにエンパワメントしてくれる応援ソングや関西弁の歌詞が印象的な楽曲が支持を集めるジャニーズWESTの最新シングル曲「Big Shot!!」は、フジテレビ系『ワールドカップバレー2019』の大会テーマソング。代々ジャニーズの新グループが務めてきた大役でありながら、すでにメジャーデビューを叶えているデビュー組としては異例の大抜擢であることからも、多くのジャニーズファンから注目を集めた。

 パワフルなチャントが印象的なイントロから始まる楽曲は、ワールドカップバレーのイメージキャラクターを務めてきたグループのデビュー曲にも通ずるパワフルな勇ましさを感じるが、聴き進めるほどに印象がコロコロ変わっていくのが耳に楽しい。ヒップホップ調からテクノポップ、バラードなどの様々な要素が目まぐるしく入り乱れ、根底で踊るサンバ調のビートがいやがおうにも心を躍らせる。

 初回盤・通常盤共にカップリングでもセクシーなダンスナンバーやメンバーそれぞれの歌声の魅力を堪能できる本格的なバラードなど、ジャニーズWESTの新たな魅力が再発見できる楽曲が揃い踏み。彼らの魅力がぎゅっと凝縮された、ジャニーズWESTにとって新たな名刺代わりとなるであろうシングルだ。

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