『メリーオドリマX'mas』開催特別連載 インタビュー
s**t kingz『FNS27時間テレビ』に出演 総合演出 竹内誠氏と語る、教育現場におけるダンスの未来
しっかりしていないと高校生に見抜かれる
ーー実際に高校生と触れて、どうでしたか?
Oguri:めちゃくちゃ真っ直ぐです。自分たちが思っている以上に真っ直ぐ僕らと向き合ってくれるので、僕らも全力で渡せるものを渡したいと思いました。さらにそれを受け取って、ちゃんとみんなで一生懸命に練習してくれて。僕らのことを信じてくれている気持ちが伝わってくるので、僕らもちゃんと高校生を信じて渡さないとなって。だから高校生だからと簡単な振付を渡すことは一切していなくて、容赦なくプロでも難しいくらいの振付を渡していて。でもみんなならきっと完成させてくれると信じているので。
kazuki:それぞれの学校がダンス強豪校なので、自分たちの学校の威信もかかっている。そんな大舞台で簡単な振付を踊らせるのは可哀想だし、同じダンサーとしてレベルの高いものに挑戦したい気持ちは分かる。フジテレビさんの番組を支えた名曲を使いながら、高校生にしか出せないパフォーマンスを意識しながら振り付けを考えました。だから、相当見応えのあるものになっているはずです。
NOPPO:さらに、高校生が踊ったことのないシチュエーションでも踊るんです。普段は体育館とかステージですけど、そうじゃない変わった場所で踊るので、それも見どころになります。
shoji:それに関わった高校生たちは、人間としても素晴らしい子たちばかりなんです。こんなに挨拶してくれるんだって驚いた。接していて、人として気持ち良いと思える真っ直ぐな子たちばかりで、「これなら日本の未来も明るいな」って思いました。
竹内:村上くんもそんな話をしていました。
kazuki:野球とかバレーとか運動部の子って、礼儀正しかったりするじゃないですか。それと同じで、部活としてしっかりしているから、礼儀もちゃんとしているのかなって。
ーー練習はどのように進めましたか?
shoji:今はみんなスマホですね。踊っているところを撮影してその場でみんなと共有して、各自が家で練習をしてくるかたちです。
kazuki:休憩の時に質問をしてくれる子がいて。ノートにびっしり気づいたことや聞きたいことが30〜40個書いてあって、それが全部的確で、素晴らしいなと思いました。
ーー答えられない質問はなかった?
kazuki:どう表現したらいいのか難しい質問もあって。でも一旦、ちゃんと言葉にしてあげないといけないという気持ちになって、一生懸命答えを考えました。例えば振付で、手はグーなのかパーなのか。どっちでも良いんだけど、生徒はどっちかに決めてほしいんです。それで「じゃあグーで」って答えたら、みんなに向かって「グーだってよ!」って叫んでて。
Oguri:2グループに違う振付を教えていて、自分でどっちか間違ってしまうことがあって。そこを生徒に指摘されることもあって、すごくしっかりしてる。教えるには、こっちもしっかりしていないと、すぐ見抜かれてしまうんです。
NOPPO:質問がくるとドキドキしちゃって(笑)。
ーーみなさんが高校生の時は、ダンス部って?
kazuki:僕はダンス部だったんですけど、今回行った高校のダンス部とはレベルが雲泥の差で、挨拶も教えられたことがなかったし、入部したら後はご自由にどうぞみたいな感じで。部活の感覚はなかったです。今の子たちは、学年に関係なく一丸となっているので、そこに素晴らしさを感じました。
Oguri:そもそもダンス部がある学校は少なかったんじゃない?
shoji:うちにはなかったかも。
NOPPO:うちの学校にはありましたが、僕はダンス自体はやっていたけど、部活はバスケで、文化祭の時だけダンス部に混ぜてもらって、モテていました(笑)。
shoji:一番ずるいパターン(笑)!
NOPPO:でも当時は、kazukiが言っていたみたいに、ファッションのような感覚でした。ヒップホップをやっていたらこういう格好で、こういう歩き方をするみたいな。そういう風潮だったと思う。
kazuki:今の子たちは、頭も使っていますよね。大人数のフォーメーションを覚えなきゃいけないし。あれだけたくさんの学校が大会に出る中で、うちの学校はどういうフォーメーションを組むのか、それを考え出すのも一苦労だと思う。僕らの頃は、そんなことを考える頭もなかった。
ーーそういう意味では、10年以上前と今では、ダンスの考え方や質が違いますね。
shoji:全く違います。昔は少人数で十代向けのダンスコンテストに出ることはあったけど、今は学校単位でやっていて、全国の高校がエントリーする選手権がいくつもありますから。
竹内:何年か前に、学校のダンスが盛り上がっていることを感じたことがあったけど、ここまで触れあったことはなくて。今回こうして触れてみて思うのは、今は数ある部活の中でも、ダンス部が市民権を得て人気が上がってきているということ。部員数が80人もいるんですから、そんな部活はなかなかないです。それは今回すごく驚いたことです。いずれダンスがオリンピックの新種目として追加されるかもしれないという話がありますけど、本当に正式にそうなるんじゃないかっていう気がしています。