君島大空、諭吉佳作/men、長谷川白紙…崎山蒼志『並む踊り』優れた“個”が集まる場としての面白さ

 以上の4名が音楽シーンで注目されている背景には年齢の若さ(2019年10月現在で崎山17歳、君島24歳、諭吉16歳、長谷川20歳)もある程度は関係しているだろうが、「若いから凄いのではない。凄い人物が、偶然若かっただけだ」というように、何よりもまず各人が唯一無二の音楽的実力を備えた一流のミュージシャンだからというのが大きい。一口に「シンガーソングライター」と言ってもやっていることは千差万別で、これは音楽性というよりも「ひとりでやっている」という“個”の在り方を示す言い回しとみなす方が適切だし、そうやって豊かなスタイルを雑に括ることが音楽シーンに面白さや広がりを与えている面もある。崎山蒼志の2ndアルバム『並む踊り』はそうした優れた“個”が集まり相互作用を引き起こす場としても実に興味深く、「潜水」に参加している石若駿(日本屈指の天才ドラマー/ソングライターであり自身のバンド活動やセッションワークを通し国内の重要シーンの多くに関与している)もあわせ、これからの音楽シーンを担う才能が一堂に会する場としても記念碑的な一枚になるだろう。それを読み解くにあたり本稿が何かの手がかりになれば幸いである。

■s.h.i.
ツイッター
ブログ

関連記事