菅田将暉とTOSHI-LOWに共通する人間的魅力 「今夜」弾き語りも披露した『ANN』を聞いて
番組内でTOSHI-LOWは米津玄師提供曲「まちがいさがし」について以下のように触れた。
「『今夜』を歌わせようと思って将暉の歌を聴いて、『まちがいさがし』聴いてたら、なんか似てない? 言ってることが、って。正しい道だけを歩いていたのではないからこそ、外れたからこそ、出会えたんじゃねえか? とか。まっすぐ誰もが成功している……わけじゃないし、じゃなかったら変な話、ラジオなんかだって聴かないと思うんだよ。そうじゃなくて、何かあって出会いがあって、それがもしかしたらその後に自分を支える何かになるかもしれないって。そう思ったらなんか『まちがいさがし』聴いててぐっときちゃった」
番組内では東日本大震災以降のTOSHI-LOWの盟友である細美武士の話も出ていたが、そもそも「今夜」はTOSHI-LOWが細美との友情や関係性を歌ったもの。すべての意味がこの日の菅田とTOSHI-LOWによる「今夜」弾き語りで回収されたといっても過言ではないはず。
「いやあ、でもあの時に“はい”を選択してよかったなあ」と最後の最後に菅田将暉がつぶやいたひとことにも、この夜の唯一無二感があらわれていたことだろう。ラジオブースからTOSHI-LOWが出て番組がエンディングに向かうも、「なんか終わりたくないっすね、もう一回TOSHI-LOWさん呼びます?」と菅田が話したところ、ラスト30秒のタイミングで再びTOSHI-LOWがブース内に戻るという展開も。
一見すると共通したタイプではないかもしれないが、周囲の人をいつのまにか巻き込んでしまう、人間的魅力を溢れんばかりに携えたTOSHI-LOWと菅田将暉。二人は何か根底で通ずる情熱で共鳴しているのだろうし、腹を割って本音で話せる、人間同士のリスペクトのようなものがあるのだろうということがよくわかる放送だった(そうでなければ、ここにいないバンドマン各位の話でここまでずっと放送をすることもできないだろう! すべては信頼があってのTOSHI-LOWの“暴露大会”なわけだ)。
いつかまた、こうして公の電波の上でもまた二人の仲睦まじい声のやり取りを聞かせてもらいたいと切に願うばかりだった。こちらの放送はradikoタイムフリーにて10月21日いっぱいまでは聴取可能。聴き逃した方も是非聞いて一緒に笑ってほしい。
■鈴木 絵美里
1981年東京都生まれ、神奈川県育ち。東京外国語大学卒。
ディレクター・編集者として広告代理店、出版社にて10年間勤務の後、2015年より独立。現在はWEB、紙、イベントを軸としたコンテンツの企画・ディレクションおよび執筆に携わる。音楽、映画、舞台、テレビ、ラジオなどエンタテイメントを広く愛好。