やなぎなぎが音楽で表現した“白”の世界 コンセプトライブ『color palette ~2019 White~』レポ
続けて「ユキトキ」は、ネットで募集した演奏者をステージに迎え入れてライブを繰り広げた。ギター、ベース、ドラム、キーボード、女性コーラスという5人組で、バンド名がまだないことから、やなぎが“All You Can Eat(意味は食べ放題)”と命名。メンバーの好きな食べ物にちなんでつけようと思ったそうで、「全員の好きなものが食べられるようにと考えて付けました」と、さすがのセンスに会場から大きな拍手が贈られた。
そんなAll You Can Eatのメンバーによる演奏で聴かせた「ユキトキ」は、少し渋谷系を感じさせるポップなアレンジが印象的。最初は緊張していた様子のメンバーだったが、やなぎのリードもあって次第に緊張がほぐれ、ポップな世界観を会場に届けてくれた。
本編最後に披露したのは3rdシングルの収録曲「link」だ。この曲は、11月13日にリリースするカップリング曲を集めたアルバム『memorandum』にも収録される。さまざまな音がパズルのように組み合わさり、一つの楽曲を紡いでいく「link」。やなぎは「これからもみんなと繋がっていられるように」と、思いを込めて歌った。
そしてアンコールではアルバム『memorandum』の発売を記念し、12月7日にワンマンライブを開催するという発表があった。最後には、「この曲で終わらなければ締まらない」と、「You can count on me」を披露。アッパーのロックサウンドに乗せて、力強く歌声を響かせたやなぎ。サビでは客席にマイクを向けて英語のコーラスを観客に歌ってもらい、そのままコール&レスポンスのやりとりも楽しんだ。そして最後に歌詞を変えて、〈みんなありがとね、また遊びにきてね〉と歌い、笑顔でライブを締めくくった。
「これからもたくさんの刺激を受けて、color paletteだからできる企画を考え、色を増やしていきたいです」
艶やかで透明感溢れる歌声。エレクトロとアコースティックが入り交じり、トリップホップにも通じるものを感じさせるオルタナティブなサウンド。そのセンスは数多くのアニメテーマソングで発揮されるだけでなく、アニメの劇伴を手がけた経験も持つ。そんな彼女独自のサウンドセンスが、色というテーマによってより浮き彫りになったライブ。次回はどんな色がパレットに加えられるのか、興味がそそられた。
■榑林史章
「THE BEST☆HIT」の編集を経て音楽ライターに。オールジャンルに対応し、これまでにインタビューした本数は、延べ4,000本以上。日本工学院専門学校ミュージックカレッジで講師も務めている。
■リリース情報
やなぎなぎ カップリング曲を集めたアルバム
『memorandum』
発売日:2019年11月13日
【初回限定盤】<CD+Blu-ray>¥6,000+税
「やなぎなぎ ライブツアー2019 -LIBRARY- & -MUSEUM-」追加公演 ライブ映像収録(2019年6月9日@東京・国際フォーラム ホールC)
【通常盤】<CD>¥3,000+税
<収録曲>
01. キミミクリ
02. インテンション・プロペラント
03. color capsule (TVアニメ「色づく世界の明日から」挿入歌)
04. 音のない夢
05. in flight
06. halo effect
07. Surrealisme
08. 真実の羽根 (TVアニメ「ヨルムンガンド PERFECT ORDER」挿入歌)
09. Rain
10. 想像の君
11. 鱗翅目標本
12. helvetica
13. link
14. replica
全14曲収録
■ライブ情報
やなぎなぎ ワンマンライブ memorandum
東京・Zepp DiverCity Tokyo
2019年12月17日(土)
OPEN / START16:30 / 17:00
チケット料金 (全席指定)
前売 ¥6,000(消費税別/ドリンク代別)
当日 ¥6,500(消費税別/ドリンク代別)
<問い合わせ先>
ディスクガレージ050-5533-0888
詳細は公式ページより
やなぎなぎ公式サイト