L’Arc~en~Ciel、8年ぶりツアー開催に寄せる期待 近年のライブ活動から感じるファンへの思い
こうして足早に振り返ってみると、L’Arc~en~Cielのライブが単なるライブではなくひとつのエンターテインメントとして成立していることがわかるだろう。「L’ed」の導入や「L’ポンチョ」でのプロジェクションマッピングでファンと一緒にライブを作り上げることはもちろん、アトラクションや楽曲のリクエストも、全てはスタジアムやドームクラスの大きな会場でもファンが楽しめるようにと様々な工夫がなされているのだ。それは彼らがファンのことを大切に思い、ファンと触れ合えるライブを大事にしているからということにほかならない。
2017年の『25th L’Anniversary LIVE』の初日、25年を振り返りながらhydeは「この25年、順風満帆に見えるかもしれないけれど、山あり谷ありでした。スタッフ、メンバー、みんなが努力して、なんとかここに来れたんじゃないかと思います。でも、君たちの力がなかったら、ここに立つことは出来ませんでした。L’edバンドのひとつひとつの輝きに君たちの想いが溢れていました。君たちの想いはそのL’ed以上に、ここから見る景色はその輝き以上に美しかったです」と語り、「あなた」でライブを締めくくった。
会場を包む無数のL’edの光を〈明日へと照らし続けてるあの星のように〉と歌い、さらに〈胸にいつの日にも輝くあなたがいるから〉と歌ったあの瞬間こそL’Arc~en~Cielがファンのことを想っているのを実感した瞬間であると同時に、同様の歌詞を合唱するファンの胸にもL’Arc~en~Cielがいて、彼らのことを思っているのを実感した瞬間でもあった。
こんなに早く会えると思っていなかったというのが正直なところではあるが、hyde、ken、tetsuya、yukihiroという天然記念物のような4人がモンスターバンド・L’Arc~en~Cielとして一堂に会し、8年ぶりとなるツアーでどんなライブを見せてくれるのか、今から楽しみでならない。平成と共に時代を駆け抜けたバンドの、令和初お目見えまでのカウントダウンはすでに始まっている。
■オザキケイト
平成元年生まれの音楽ライター。ヴィジュアル系を中心にライブレポートやコラムを執筆している。「Real Sound」や「ウレぴあ総研」、その他バンドのプレスリリースにも寄稿。
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