坂道、アンジュルム、ももクロ、BiSH……アイドルにとっての“衣装”とは? グループの特徴を考察
アイドル=かわいい、という固定概念は薄くなり、それぞれの個性を追求することが美徳とされるようになってきた。そんな中で異彩をはなつBiSHの存在は、楽曲・キャラクターだけでなく衣装でも個性的だ。誌面でビジュアルクリエイションを手がける外林健太さんが「ヴィヴィアン・ウエストウッドが作ったセックス・ピストルズの衣装に勝るくらい、かっこつけてやっていこう!と話した」(『装苑』9月号)と語るように、メタルサウンドに合うパンキッシュ衣装はモダンでカッコいい。グループとしてのまとまり感を残しつつカッティングやスタイルに差をつけ、ひとりひとりの個性もとらえたオートクチュールの衣装は、彼女たちの魅力のひとつである「凸凹感」を増長させる。それが楽曲やキャラクターの魅力につながっていくのだ。
「衣装を着ることで私たちはBiSHになれる」と彼女たちが誌面で語ったように、その衣装を着たとき、女の子たちは夢を羽織り、なりたい女の子になるのかもしれない。努力してきた成果を目一杯見せつけるために着るその一着は彼女たちのパワーとなり、描いた未来に向かってステージの上でエネルギッシュに弾けられるのだ。
■羽佐田瑶子
ライター。映画会社、訪日外国人向け媒体などを経て、現在はフリーのライター、編集。関心事はガールズカルチャー全般。主な執筆媒体はQuick Japan、She is、テレビブロス、CINRA.NETなど。Twitter