「BABA嵐」を面白くする嵐5人の全力投球ぶり 相葉雅紀が6度目“最弱王”輝いた神回振り返る

 持ち前の“ミラクル”が仇となったかのように6度目の最弱王に輝いてしまった相葉。負けが見えてきた頃合いから顔をくしゃくしゃにして、目に涙を浮かべ泣き出しそうな表情を見せていたのが印象的だった。試合が始まる前には緊張した面持ちでありながらも強がって見せ、最終的に幼い少年のような表情で悔しがる相葉の振る舞いからは、愚直なほどに目の前の課題に真っ直ぐに向き合う、天真爛漫で損得勘定のない素直さがこれでもかと溢れ出していた。

 また、そんな相葉の様子を弄りながらも逐一フォローやツッコミを入れるメンバーの様子も実に微笑ましい。おみくじを引いた神社で祈祷も受けてきたと発言していた相葉に対し、大野が放った「お祓いした方がいい」という冷静な一言は、相葉の健闘をなによりも面白く、そして人間味溢れるエンターテインメントに昇華してくれたように思えた。

 「BABA嵐」がこれほどまでに長く、幅広い層に指示されるコーナーとなったのは、相葉をはじめとする嵐のメンバーが誰よりも全力で勝負を楽しみ、臨んでいるからではないだろうか。いわば番組の“座長”である5人が常に全力投球で挑んでいくことで、ゲストもババ抜きというシンプルなゲームに本気で挑むことの楽しさを実感し、「大の大人が全力でババ抜きをする」という姿に視聴者も釘付けになるのだろう。スタジオで見ている嵐メンバーのプレイヤーへのフォローやツッコミも、常に全力投球で行われている。それがさらに試合の面白さを演出し、嵐メンバーはじめ出演者の魅力をより引き出しているように思える。

 この、嵐の座長としての“全力投球ぶり”は、「BABA嵐」のみならず『VS嵐』の全てのコーナーに通ずるものがある。いつも全力で挑み、全力でツッコミ、全力でフォローし合って支え合う姿に視聴者もゲストも惹かれるのだろう。今回の放送は、楽しむことに全力な嵐の姿が、“最弱王”相葉を中心に改めて垣間見えた神回だった。今後の「BABA嵐」、そして『VS嵐』からも引き続き目が離せない。

■五十嵐文章(いがらし ふみあき)
音楽ライター。主に邦楽ロックについて関心が強く、「rockinon. com」「UtaTen」などの音楽情報メディアにレビュー/ライブレポート/コラムなどを掲載。noteにて個人の趣味全開のエッセイなども執筆中。ジャニーズでは嵐が好き。
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