V6、嵐からHey! Say! JUMP、King & Princeまで “ジャニーズイズム”息づく5~6月リリース
平成というひとつの時代を見送り、令和を迎えた5月・6月のジャニーズ新譜はなんと8作。時代は変われど、粒ぞろいの作品を数多くドロップしリスナーを魅了し続けるその姿勢は変わらないままだ。令和への期待、そしてこれからやってくる夏への期待が高まる5月・6月ジャニーズ新譜を一気に振り返ってみよう。
亀梨和也『Rain』
亀梨和也&二階堂ふみW主演ドラマ『ストロベリーナイト・サーガ』(フジテレビ系)の主題歌「Rain」。亀梨にとって、キャリア初のソロシングルとしてもファンの間では話題になった。
KAT-TUNの楽曲ではハイクオリティなダンスやセクシーなボーカルのイメージが強い亀梨だが、ソロデビュー曲である「Rain」は打って変わってストリングスが美しいバラード。冷たい雨が降る都会の景色が想起させられる歌詞や、ドラマのストーリーともリンクする「正義とは何か」といった高いメッセージ性が、亀梨の狂おしげなボーカルによって炙り出される聴きごたえ満点のシリアスな楽曲だ
表題曲だけでなく、カップリング曲にももちろん要注目。力強さや爽やかさ、そしてセクシーさなどKAT-TUNの活動の中で鍛え上げられた亀梨の魅力がぎゅっと詰め込まれたシングルだ。
Hey! Say! JUMP『Lucky-Unlucky/Oh! my darling』
Hey! Say! JUMPとしては令和初のリリースとなる、両A面シングル。メンバーの知念侑李主演のドラマ『頭に来てもアホとは戦うな!』(日本テレビ系)の主題歌である「Lucky-Unlucky」は、ギターが小気味よいダンスロックサウンドを基調とした楽曲。タイトでダンサブルなメロから天の川がきらめくようなサビへ流れる展開が清々しく心地いい。
「焦らず、あきらめずに空っぽになりそうな心を満たしていこう」というパワフルで優しいメッセージを歌うメンバーのユニゾンが力強く背中を押してくれる、夏の始まりを知らせるチアフルな一曲だ。
対して「Oh! my darling」はメンバーの山田涼介によるソロ楽曲。山田の甘い“王子様ボイス”をこれでもかと味わえる、スイートなダンスチューンだ。Hey! Say! JUMPの新たな可能性を開拓する、記念碑的な作品となりそうなシングルだ。
Hey! Say! JUMP『愛だけがすべて-What do you want?-』
精力的な活動を続けるHey! Say! JUMPが、令和を迎えてから立て続けにリリースした2枚目のシングル。こちらはメンバーの伊野尾慧が出演した『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日系)の主題歌だ。
「これぞHey! Say! JUMP」と言いたくなるようなラテン調のギターが印象的な、異国情緒あふれる哀愁満点なダンスナンバー。ストイックなボーカルがいつにも増してクールで、大人っぽい楽曲がさらに板についてきたような印象を受ける。特に大サビの山田のフェイク、そしてシニカルでありながら「愛」というシンプルでポジティブなテーマに収束する歌詞を象徴するような伊野尾の甘いボーカルがたまらない。
Hey! Say! JUMPとしては初めてのDVDシングル形態でのリリースもされているこの楽曲。MVやライブでのダンスパフォーマンスにも注目だ。
V6『ある日願いが叶ったんだ/All For You』
V6の最新楽曲は、ケツメイシのRYOJIと今注目のアーティスト・AmPmが手掛ける両A面シングル。メンバーの井ノ原快彦主演のドラマ『特捜9 season2』(テレビ朝日系)主題歌である「ある日願いが叶ったんだ」は、ロマンチックな情景描写の中にヒップホップ風のアレンジがナチュラルに組み込まれた、挑戦的でありながら優しく温かいラブソングだ。メンバーそれぞれの美声が活かされたフェイクやハミング、そして6人のユニゾンへと流れる構成が秀逸。ソロ回しこそ少ないが、それぞれの声音の優しさ、美しさが際立っている。
対して「All For You」は、V6の楽曲の中でも珍しい全英詞による楽曲。テクノ調のサウンドに絶妙にマッチする大人のラブソングだ。人気クリエイターがそれぞれの実力を遺憾なく発揮し、V6の新たな魅力を徹底的に引き出した強力なシングルだ。
NEWS『トップガン/Love Story』
NEWSの令和一発目最新シングルも、夏の始まりを告げるに相応しい爽快な両A面。「トップガン」はドラマ『よつば銀行 原島浩美がモノ申す!~この女(ひと)に賭けろ~』(テレビ東京系)主題歌。ブラスの効いたバンドサウンドが基調となったサウンドと、キャッチーでリズミカルな歌詞が心地よいカタルシスを巻き起こす。ライブ映えしそうな華やかさもある、爽やかさとエモーションが共存する1曲だ。
打って変わって「Love Story」の方は、ピアノの音が印象的なシンプルで優しいラブソング。4人のソロ回しが印象的な冒頭から、シンガロングの入った後半への広がりが壮大で美しい。サビのユニゾンでは、三者三様の歌唱力の高さがしっかりと伝わってくる。メンバーからファンに向けたラブソングにも聴こえる、ピュアで包容力溢れる歌詞も魅力的だ。