親から子へ贈る愛の歌ーーノルウェーの俊英 エスペン・バルグが目指す、ピアニズムの桃源郷
3度目の日本公演には愛妻カミラの姿も
3度目の日本公演は新宿の新宿文化センターの小ホールで行われた。その晩のステージは成熟したトリオの高度な技術力に加え、エモーショナルなプレイと激しい感情が交差した感動的なものであった。また観客席には、結婚10周年を迎えた愛妻カミラの姿があり、ステージ上から感謝の言葉を捧げるエスペンの姿には心あたたまるものがあった。
最愛の息子を失くし、深い哀しみから新たな傑作を生み出したエスペン・バルグ。彼が紡ぎだす美しい景色は、これからも多くの人々の心を癒し、聴き継がれていくことだろう。
(取材・文=落合真理/撮影=Atsushi Toyoshima, jazzprobe.com/アーティスト写真=©Christina Undrum Andersen)