OKAMOTO'Sが10年間貫いてきた“同じことを続ける姿勢” 兵庫慎司が見た武道館初ワンマン

 2019年6月27日、『OKAMOTO’S 10th ANNIVERSARY LIVE“LAST BOY”』。初めて音源をリリースしてから、2019年で10周年を迎えたOKAMOTO’Sにとって、初の日本武道館ワンマンは、アリーナ部分の両端までびっしりイスが並べられた掛け値なしの超満員だった。

撮影:浜野カズシ

 19時ぴったりに客電が落ちてSEがかかり、スクリーンにバンドの歴史を追う写真が映し出され、「Dreaming Man」でスタートしてから、アンコールのラストを「90’S TOKYO BOYS」で締め、ステージを去るまで2時間7分、全部で21曲。2019年1月リリースの最新アルバム『BOY』収録の10曲すべてと、全キャリアから選りすぐられた11曲、というセットリストだった。

 最初にMCが回ってきた時、ハマ・オカモト(Ba)は「みなさんに支えられて、中学の同級生のバンドが武道館に立つことができました」とお礼を言った。オカモトコウキ(Gr)は、「どうですか? 武道館、OKAMOTO’Sに似合ってますか?」とオーディエンスに問いかけ、「10年間やってきましたが、べつに通常どおりお届けしますよ」と言って、「『通常どおり』はいいけど『べつに』はやめましょうよ」とハマにたしなめられた。アンコールを終え、客席をバックに記念撮影し、4人でステージ左右に伸びた花道の先まで行って挨拶し、メンバーがはけ始めたあとも、最後までステージから立ち去りがたい感じで残っていたのは、オカモトレイジ(Dr)だった。

撮影:浜野カズシ

 そして、本編ラストの「Dancing Boy」の直前、「俺たちが10年間やってきたことは間違ってなかった」と感極まったオカモトショウ(Vo)は、そのあとのアンコールで「Beek」を演奏する前に「まさかこんな場所でやるとは思いもせずに音楽室で作った曲です」と紹介したかと思えば、「結成した時から世界制覇が夢です。まだまだこれからなんです。ぜってーバンドやめねえからな!」と叫んだりする。つまり、言っていることが矛盾しているわけだが、その矛盾のしかたも含めて、終始ひとつも嘘のない、そのまんまの立ち振る舞いだったし、そのまんまの歌だったし、そのまんまの演奏だった。

「中学の頃から同じことをやり続けて、武道館まで来たぜ!」

 オカモトショウはそうも叫んだ。まさに「同じことをやり続けて」いるし、コウキが言ったように「通常どおり」のOKAMOTO’Sであることと、変わり続けて転がり続けてここまで来たこと、その両方が表れたライブだった。

関連記事