J☆Dee’ZからJewelへーー改名発表とともにさらに前へ踏み出す決意示した10周年ライブ
そこから「MORNING HOPE」「Melody」と佐々木と河田総一郎によるユニット・Soulifeが手がけた、変革の時期を彩るシングル曲を連続で歌い踊る。amiが「いろんな変化があった時期」、MOMOKAが「めまぐるしかった」と振り返ったように、インタビューをしていても、路線変更に伴う成長痛と戦っていることが伝わってくる期間でもあった(参考:J☆Dee’Zの楽曲はなぜ大きく進化した? Soulifeとメンバーが明かす“制作の裏側” )。だが、その変化は決して無駄ではなかったことを、この日彼女たちは自らのステージングで証明してくれた。
本編終盤は、持ち曲のなかでも歌とダンスの混ぜ具合が“最高難度”である「いますぐに会いたい」から、フロアが熱狂するライブアンセムと化した岡村靖幸のカバー「だいすき」、そして10年目以降も前へと進むという決意を込めた「あと一歩」を披露。「以上、J☆Dee’Zでした!」と、目を潤ませながらJ☆Dee’Zとしての“最後の挨拶”を終え、本編を締めくくった。
アンコールでは、スクリーンに10年の軌跡が映し出されたあと、会場も呆気に取られる衝撃の発表ーーグループの改名がアナウンスされた。「Jewel」は、1stアルバム『Jewel』の表題曲であり、グループ名の由来である「Jewel」「Decorate」「Zenith」の一つだが、今回の改名で彼女たちの新たなグループ名となった。もちろん、そうなれば「Jewel」という楽曲の意味も大きく変化する。それを象徴するかのように、バラード調でスタートしたこの日の「Jewel」は、amiの高速ラップも取り入れる新たなアレンジで届けられた。
さらに発表は続き、7月24日に改名後初のシングルをリリースすること、披露されたばかりの「Jewel-next story-」が配信されること、表題曲「前へ」を初パフォーマンスすることがアナウンスされた。
「自分たち自身も最後の最後までずっと悩んだけど、皆さんやメンバーともっと大きなステージに立ちたい、変わりたい、進化したい気持ちがあった」(Nono)
「一緒に10年間寄り添ってきた名前なので、自分たちにとっても大きな決断で不安もありました。でも、前に歩んでいくために変えようと決断できたのはみなさんがいたから」(ami)
「J☆Dee'Zじゃないんだと思われるかもしれないけど、別物になるんじゃなく進化すると思ってほしい。ファンのみなさんもそのまま“ジュエラー”です」(MOMOKA)
そしてパフォーマンスされた「前へ」は、生ドラムでの人力2Step~Future Baseを取り入れた楽曲。これまで育ててきたハイレベルな歌とダンスの組み合わせを大事にしつつ、ワールドワイドに大きな路線変更を取った攻めの姿勢も見られ、それまでざわついていたフロアも、新生“Jewel”の決意を示したかのようなパフォーマンスに圧倒された。
Nonoが「歌うごとにその時の記憶が蘇るライブだった」と終盤のMCで語っていたように、この10年のどこで彼女たちを知ったかによって、感動したポイントや蘇った思い出は人それぞれだろう。しかし、それを改名のニュースや新曲が吹き飛ばしてくれたように、この日のライブは、彼女たちが立ち止まることなく前へと進み続けていくことを確信させてくれるほどの輝きに満ちていた。
(取材=中村拓海/写真=鳥居洋介)
■セットリスト
1.Let the music flow
2.DISCO WINNER
3.Beasty Girls
4.Secret Summer
5.Dream Arch
6.君にStrike
7.Re:100万回の「I Love You」
8.Chocolate
9.Crazy For You
10.ORIGINAL
11.Fun Time Funk!!!
12.Answer -acoustic ver-
13.MORNING HOPE
14.Melody
15.いますぐに会いたい
16.だいすき
17.あと一歩
En1.Jewel-next story-
En2.前へ