竹内アンナ、『at THREE』での新たな挑戦「“アコギ+α”を軸にしながら色々なことにトライしたい」

竹内アンナが語る、3rd E.Pでの新たな挑戦

「自分の個性に自信を持ててない子が多い」

ーーリード曲の「20 -TWENTY-」のリズムも新鮮でした。すごく現代的なトラックだし、どこかラテンの匂いも感じて。

竹内:もとになっているのはソカのリズムです。“これぞ夏”という感じがあるし、リスナーとして触れたことはあっても、自分で形にしたことがなかったから、やってみたらおもしろそうだなと。どうしてこのリズムでやろうと思ったか、きっかけはあまり覚えてないんですけどね(笑)。私はK-POPも好きだから、もしかしたらその影響かもしれないです。K-POPのトラックはリズムもおもしろいので。

ーートラックを作った後、メロディを乗せて?

竹内:そうです。トラックを聴きながら鼻歌でメロディをざっくり決めて、サウンドプロデューサーの方と「こうしてみたら?」と話し合いながら作りました。その過程もすごくおもしろかったです。先にサウンドプロデューサーの方にトラックを作っていただいて、そのうえに自分がメロディを乗せることもあったので、何にも捉われず、自由にメロディを作ることができたというか。ただ、アコギのアレンジはけっこう大変でしたね(笑)。トラックを作る時点では、アコギのことはまったく考えてなかったので、「このトラックにどうやってアコギを乗せればいいんだろう?」って悩みました。スラップを交えるなど、いろいろと試行錯誤しながら、制作していきました。

ーーアコギの奏法も自然と広がりますよね。竹内さん自身がイメージするサウンドを形にする精度も上がっているのでは?

竹内:そこは、ちょっとずつですね。自分のなかで「こうしたい」というイメージがあって、それを少しずつ形にしていき、スタッフのみなさんやサウンドプロデューサーの方とやり取りしながら、さらに良いものになっていく感じです。まずは自分が作りたい方向を示すことが大事だし、デモのトラックや譜面を使って、もっと上手く伝えられるようになりたいですね。

ーー“20才”をテーマにした歌詞にもすごくリアリティがあって。まさに今しか書けない歌だと思います。

竹内:今年の4月で21才になりましたが、この歌詞は20才の1年間で感じたことを書いています。20才は大人だし、責任も大きくなるけど、自分が好きなことをやれるようになる年齢でもあると思いました。ティーンエイジのときよりも自由度がすごく増しているし、これから20代になる方、それより年上の方たちに、「“責任を背負わなくちゃ”と思いすぎないで、もっと自由に好きなことをやってみて」というメッセージを届けたくて。いままで行ったことのないような場所に行ってみたり、「あの人に会いに行ってみよう」だったり。思い切って冒険しよう! ではないけど(笑)、この曲がそういう行動のきっかけになったら嬉しいです。

ーー竹内さん自身、20才になって初めてやってみたことはあるんですか?

竹内:“やりたい”と思ってることなんですが、クラブに行ってみたいです(笑)。今まではお酒が出る場所というのもあって、ちょっと遠ざけていたところがありました。でも、20才になったとたんに周りの友達もクラブに行くようになって、「いいな」って(笑)。(地元・京都の)四条のあたりにたくさんクラブがあるので、行ってみようかなと思ってます。

ーーぜひ(笑)。竹内さんの音楽にはダンスミュージックの要素もすごくあるし、フロア向きですよね。

竹内:実際、クラブで曲をかけてもらっているらしくて、嬉しいですね。曲を作るときの一つのテーマとして、“聴いていて楽しい、自然と踊りたくなる”というのがあるので、そういう場所で楽しんでもらえるのは、すごくいいなって。アナログレコードも少しずつ集めているので、いつかDJにもトライしたいです。

ーーE.Pの1曲目に収録されている「SUNKISSed GIRL」はポップに振り切ったダンスチューン。フロアでも盛り上がりそうですね。

竹内:ありがとうございます。この曲はまさに夏らしさを意識しているので、天気がいい日に、外を歩きながら聴いてもらいたいですね。歌詞のテーマとしては……私も含めて“自分の個性に自信を持ててない子が多いな”って、思うときがあって。せっかく素敵な個性を持っているのに、もったいないなって。あと、自分が好きなものに対して、自信を持って「好き」って言うことって大切だと思います。私自身、まわりの人に「微妙じゃない?」って言われると「そうなのか……」って、急に自信がなくなることもあるのですが、そうじゃなくて、誰に何を言われても「私はこれが好き!」って言いたいなと。どちらも些細なこととだけど、そのことに気づくだけでぜんぜん違うし、もっともっと魅力的になれる。「SUNKISSed GIRL」は、そういうメッセージを込めた曲です。

ーー3曲目の「Lovin' Drivin' Darlin'」は、1980年代シティポップを想起させるナンバーです。

竹内:この曲はメロディから先に作りました。ある程度メロディを固めてから、トラックを作って、その後アコギを入れるという順番です。ドライブしながら聴けるような曲にしたかったんですよね。

ーーラブソングの要素もありますよね?

竹内:そうですね。田舎だから車がないと不便というのもあって、大学生になったら、まわりの友達が車を持つようになって。友達の車に乗らせてもらうのはすごく新鮮で、「え、あなたが運転するの? 大丈夫?」みたいなドキドキ感もあります(笑)。私は女の子と一緒に乗ってるんですが、助手席に座ってると、「もし男の子だったら(運転席との)この距離感って、もどかしいだろうな」と思って。恋人と友達の間みたいな関係だったり、もどかしさを感じながら「どうやって伝えよう」と思っている感じだったりを歌詞にしてみました。ユーミン(松任谷由実)さんの「中央フリーウェイ」みたいに、聴いていると絵が浮かぶような曲にしたいなとも考えてましたね。

ーー切ない感情も含まれているんだけど、全体的にすごくブライトだし、気持ちよく聴けるポップチューンですよね。あまり痛々しいことは歌いたくないという意識も?

竹内:あるかもしれないです。自分自身がポジティブな考え方をするほうだし、落ち込むことがあっても、「大丈夫。次はいいことある」という楽観的なタイプで。音楽に関しても、救いがなかったり、悲しいだけだったりの曲は作りたくないなと。せっかく自分の歌を聴いてもらえるんだったら、できるだけ前向きな気持ちになってほしいんですよね。ドン! と背中を押せるわけではないけど、ちょっとでもポジティブな方向に持っていきたいと思ってます。

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