14thシングル『君に届くまで』リリースインタビュー

Little Glee Monsterが語る、信頼から生まれるアカペラの秘密とメンバー全員で描く未来の形

自分たちが感じたきっかけを人につなげられている(manaka)

ーーそれにしても、アカペラのこの人気の秘密って何なんでしょね?

manaka:自分たちがアカペラをやり始めてまだ苦手意識があったときに、Pentatonixの動画を観たんです。純粋にすごいというのもあったんですけど、それ以前に楽しそうって感じて、そこからアカペラってすごく楽しいものなんだと思うようになったんですね。きっとここに至るまでに私たちのファンの方もそういう気持ちでリトグリを見てくれているのかなって、最近思うんですよ。例えば「リトグリのアカペラを見て、楽しそうだから私も合唱部に入りました」だとか、そういうことを言ってくれる方も増えていて、自分たちが最初に感じたきっかけを人につなげられていることはすごくうれしいなって、最近すごく感じますね。

ーーそうやって連鎖しているわけですね。

manaka:とはいえ、運やタイミングも大きいと思います。今また『ハモネプ』が復活したりコーラスブームだったりと、本当に私たちはツイてるなと思います。

ーーそういうリトグリに憧れてアカペラをこれから始めるという人に向けて、皆さんが普段やっているオススメの練習方法って何かありますか?

芹奈:例えば「Jupiter」みたいなスローバラードをアカペラでやるときは、みんなで目をつぶって、呼吸だけを手掛かりに声を合わせるという練習方法はよくやっていました。

ーーそれは昔から?

芹奈:いや、「Jupiter」を歌い始めてからかな? もうちょっと上のレベルに行こうってことで、それを始めました。

かれん:目をつぶることによって、情報が得られるのは耳だけになるじゃないですか。それによって神経が研ぎ澄まされて、お互いの声を聞こうっていう姿勢がより強くなるんです。それもお互いを信頼していないとできない練習方法だと思うので、すごく大切なことだと思います。

ーー目から入る情報って多いですものね。逆に個人でやっていること、意識していることってありますか?

manaka:コーラスってメイン(※主旋律)を立てるためのものだと私は思っているので、自分の中でメインとのバランスをしっかり意識できていないと聴いていて楽しくないコーラスになってしまうんじゃないかなと。いかにメインを消さずに、コーラスとしてしっかり美しくハモることができるかを意識しながらやっています。

MAYU:私が歌うパートは上のパートが多くて。上ってわかりやすいといえばわかりやすいパートだけど、目立ちすぎたらうるさいだけ。そこはバランスとか、なんでここをこうハモっているのか意味を考えてやっているかな。

アサヒ:私は字ハモ(※メインと同じ歌詞を歌ってハモるパート)のときは、メインがあってこその字ハモだと思っています。だから、字ハモのほうが目立つと聴いているお客さんも気持ち悪く感じてしまうので、そこはちゃんとメインを立てるように心がけています。

かれん:特にアカペラは声だけで成立させるので、いつもみんなでリズムや休符を意識しています。例えば目を合わせて歌うというのも、練習中にしっかりやっていますね。

芹奈:リトグリのアカペラってボイスパーカッションがいないんですけど、さっきかれんが言ったようにリズムが本当に重要になってくるので、私はちゃんと楽器になりきってやるように心がけています。

うまく歌えなくてレコーディングで苦戦(かれん)

Little Glee Monster 『君に届くまで』Short Ver.

ーーそして、2019年最初のシングルとなる『君に届くまで』がリリース。表題曲はテレビアニメ『MIX』(読売テレビ・日本テレビ系)のエンディングテーマとして4月からオンエア中です。この曲はいきものがかりの水野良樹さんが作曲しましたが、初めて聴いたときの印象はいかがでしたか?

manaka:今までのリトグリにはなかったタイプの曲ができたような気がしていて。これまでは元気だったりポップだったり、そういう面ではいろんな曲を歌わせてもらっているんですけど、ここまで穏やかで柔らかい曲ってあんまりなくて、この雰囲気がまた新しいなって印象でした。

ーー言われてみると確かにそうですね。では、こういう曲を歌うときに皆さんはどういうことを意識しましたか?

芹奈:私たちの曲ってパワフルな印象があると思うんですけど、今回はわりと爽やかで温かい感じ。そういう歌の表現をするのが初めてだったので、難しかったです。

ーー芹奈さんはそことどう向き合いましたか?

芹奈:歌の情景描写をイメージしながら歌う感じかな。特にこの曲はアニメのエンディングテーマなので、野球場の芝生とかそういう場面を想像しながら歌いました。

かれん:私もこの曲、単純に難しかったです。今までいろんな曲を歌ってきているし、最初からうまく歌える曲もあるんですけど、この「君に届くまで」はうまく歌えなくてレコーディングで苦戦しましたし、雰囲気を掴むのにすごく時間がかかりましたね。

ーーそれは意外ですね。こういう穏やかな曲ならではの難しさがあるんですね?

かれん:難しく聞こえないですよね(笑)。

芹奈:でも、歌ってみるとめちゃめちゃ難しいんですよ。

かれん:この曲ってメロディラインの予想がつかないというか、予想と全然違うところに来るから難しいというのもありました。でも、今はライブでもたくさん披露しているので、楽しみながら歌えています。

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