エド・シーラン、唯一人のステージで世界最高峰のエンターテインメントを体現した東京ドーム公演

エド・シーラン、東京ドーム公演レポ

 カントリーミュージックに根差した「Lego House」「Kiss Me」「Give Me Love」のメドレーではシンプルな弾き語り、「Wayfaring Stranger 」「I See Fire」をつなげるセクションではダークな憂いに満ちたムードを描き出すなど、楽曲に込められた世界観を増幅させるようなステージングも印象的。そして、シャープなカッティングを軸にしたトラックと観客のハンドクラップが心地よく高揚感を生み出した「Nancy mulligan」によってライブはピークへ。

 本編ラストは、エドが何度も何度も「歌って!」と呼びかけ、この日もっとも大きなシンガロングが鳴り響いた「Sing」。観客のコーラスが大きく広がるなか、エドは一旦、ステージを降りる……と思ったら、コーラスが鳴りやまらないうちに再び登場し(野球・日本代表“侍ジャパン”のユニフォームを着用)、耳なじみのあるシンセのイントロから「Shape Of You」へ。さらに「You Need Me, I Don’t Need You」を披露し、ライブはエンディングを迎えた。一人だけでステージに立ち、ルーツミュージックと現代的なポップスを有機的に結びつけながら、5万数千人の日本のオーディエンスの心と体を揺さぶりまくる、“こんなの見たことない!”という前代未聞のライブだった。

 ルーツミュージックと現代的なポップスを独自のスタイルで結び付け、“ひとりステージ”で世界最高峰のエンターテインメントを体現。その姿は東京ドーム、京セラドームに足を運んだすべてのオーディエンスの胸に強く刻まれたはずだ。

(文=森朋之/写真=岸田哲平)

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