乃木坂46 齋藤飛鳥、高山一実、久保史緒里、渡辺みり愛……23rdシングル選抜の特徴を解説
・1列目
大園桃子 堀未央奈 生田絵梨花 齋藤飛鳥 白石麻衣 高山一実 与田祐希
1列目で特筆すべきは、高山一実のフロント復帰。デビューシングルから現在まで選抜メンバーではあるが、そのポジションは2列目か3列目が多かった。初のフロントは16thシングル『サヨナラの意味』でのこと。1st写真集『恋かもしれない』が発売され、雑誌『ダ・ヴィンチ』で長編小説『トラペジウム』の連載が始まった頃だ。あれから約2年半が経ち、乃木坂46だけでなく、高山個人としての立ち位置も大きく躍進した。ついに刊行された小説『トラペジウム』は、累計発行部数20万部を突破する大ヒットを記録。2nd写真集『独白』の発売。そして、『オールスター後夜祭』(TBS系)では有吉弘行と共にMCとしてお馴染みに。多くの芸人を相手にしたバラエティ色の強い番組にて、自身の色を出し過ぎない、絶妙な立ち位置をキープしている。4月20日は『有吉と5人の島人たち』(テレビ東京)に出演。すっかり有吉との信頼関係が築かれており、今後さらに一般認知も加速していくだろう。
また、1列目は多くのメンバーが過去のシングルでセンターを務めてきている。高山を含め、まさに盤石の布陣と言えるフォーメーションだ。齋藤飛鳥は、単独としては『裸足でSummer』、『ジコチューで行こう!』のいわゆる“夏曲”でセンターを経験してきたが、3月から5月までのシングルで単独センターを任されるのは初めてだ。2017年は『インフルエンサー』、2018年は『シンクロニシティ』がそれに当てはまり、どちらも「日本レコード大賞」に選ばれるグループの代表曲として成長していった。言い換えれば、夏曲、卒業シングルという型にハマらない楽曲を打ち出すことができる絶好のリリースタイミング。これまでは白石麻衣、西野七瀬がこの時期のシングルに据えられていたが、西野の卒業、そしてグループの新たなエース・齋藤の飛躍によって、乃木坂46はいよいよ本格的な新たなフェーズに突入することとなる。
■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter