日向坂46、冠番組の笑いは“団体芸”で生まれる? 乃木坂46&欅坂46注目コンビとあわせて考える

 3月27日に念願のデビューシングル『キュン』を発売する日向坂46。彼女たちの冠番組『ひらがな推し』(テレビ東京)が、放送開始から約1年が経過した。同番組では、今年2月の放送回にて、メンバー発案企画「松田好花プレゼンツ!ひらがながっきょく うんどうかい」をオンエア。グループの個性や天賦のバラエティセンスを活かすなど、番組としての方向性も徐々に定まってきたようだ。

 『ひらがな推し』は、彼女たちが新規ファンに広く訴求できる重要なツールである。だからこそ、番組で生まれる笑いを最大化していく上で、メンバー複数名が絡む“団体芸”はとても重要だろう。その時々での注目コンビを明確に打ち出し、彼女たちを起点に笑いのパターンを生産するのは、発展途上なグループにとって大きな強みとなりえるはずだ。そこで本稿では、日向坂46を含めた坂道シリーズに所属する、乃木坂46と欅坂46の注目コンビを例に、それぞれの強みを紹介してみたい。

乃木坂46 白石麻衣×秋元真夏

乃木坂46『帰り道は遠回りしたくなる』(TYPE-B)

 乃木坂46・白石麻衣といえば、グループ内でもお調子者なメンバーのひとりであり、白石の輝きをぐっと引き出すのが、メンバーきっての“いじられ屋”こと秋元真夏。そんな2人による鉄板ネタが“黒石さん”だ。“黒石さん”は、あざとさを狙った秋元の発言に対して、普段はモデル顔の白石が一変して、強張った表情でキレ芸を見せつけるというもの(参考:乃木坂46 白石麻衣、『ぐるナイ』初出演で“食べ石さん”も登場? 表情豊かなキャラクターを振り返る)。これまで、グループの冠番組やライブでもたびたび披露されている。

 思わず笑えるような2人の力関係は、今年1月放送の『乃木坂工事中SP』(テレビ東京系)でも目撃された。同番組では、メンバー2名が丸太の上に座り、相手を棒で叩き合うゲームに挑戦。白石と秋元が直接対決をする貴重な機会となった。ゲームでは終始、白石が秋元を攻撃。あまりの力強さに反撃できない秋元と、その様子に笑いすぎて攻撃を中断する白石の姿が印象的だった。そんな彼女たちだが、普段は超が付くほど仲の良い間柄。バラエティに振り切れる秋元がいるからこそ、白石もその流れに合わせられるのだろう。とても理想的な関係性だ。

欅坂46 織田奈那×鈴本美愉

欅坂46『黒い羊』(通常盤)

 欅坂46・織田奈那は、メンバーから絶大な人気を誇る“モテ女”。そんな彼女に並々ならぬ愛情を示すのが鈴本美愉だ。彼女たちこそ、特有の鉄板ネタを持ち合わせていないまでも、その関係性自体が冠番組『欅って、書けない?』(テレビ東京)を盛り上げる一因となっている。なかでも、2018年2月放送の番組ロケ企画では、鈴本が織田に得意の手料理を披露。最初こそ鈴本の愛情が伝わったかと思えたが、終盤には織田が想い人であるメンバーの小林由依に触れてしまうなど、鈴本の報われない様子にスタジオからも非難が飛び交った。

 そんな2人の関係性は、2018年末より大きく変化。同年11月の放送回では「最近織田にひっつかなくなった理由」として、鈴本が「なんとなく愛がなくなったから」と、心苦しいコメントを残していた。どうやら鈴本の心境は、いわゆる倦怠期に突入してしまったようだ。今後の展開はもちろん、2人の関係性が番組の活気に対して、どのように影響を与えるのかも気になるところである。

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