欅坂46、2019年は集大成となる重要な1年に? めまぐるしく変化した激動の2018年を振り返る

 2018年、欅坂46(以下、漢字欅)は、絶対的センターである平手友梨奈の戦線離脱から始まり、今泉佑唯、志田愛佳、米谷奈々未の卒業と原田葵の休業、そして9人の二期生の加入という、まさに激動の1年だった。そんなグループの状況がめまぐるしく変化していく中で、メンバー各々に漢字欅としての自覚が芽生え、大いなる成長を遂げた印象だ。そこで今回は、2018年の漢字欅を振り返りながら、2019年の展望を考察してみたい。

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 2017年大晦日の『第68回NHK紅白歌合戦』(以下、『紅白』)で、鬼気迫る圧巻のパフォーマンスで「不協和音」を披露するも、3人が倒れるという事態となった漢字欅。その余韻が残る中、『紅白』での平手の負傷により、1月30日から2月1日まで3日間予定されていた日本武道館公演を、けやき坂46(以下、ひらがなけやき)に託すという苦渋の決断を下すことに。2018年は波乱の幕開けとなった。

 絶対的センターとは言え、一人の欠場でライブ自体が中止になるという、常に懸念されてきた漢字欅の問題がついに爆発。小林由依はブログで「出来ることならやりたかったけど、私たちの力不足が招いた結果だとも思っています」と綴り、菅井友香も「色々なことが重なり合って物事は起きていて、様々なことを踏まえた上での苦渋の選択、決断です。メンバーにも21通りそれぞれの思いや考え方があるはず」とブログに書いている。ただこの出来事により、メンバー各々が改めて漢字欅のことを真剣に考え、グループを守っていくという意識改革へと繋がるターニングポイントとなった。

 3月7日に6thシングル『ガラスを割れ!』をリリースするも、平手はスケジュールの関係でグループ活動から距離を置く状態に。今泉佑唯と小林由依のゆいちゃんずがWセンターとなり、20人でのプロモーションがスタートした。そんな中、4月6日から8日の3日間に漢字欅単独での『欅坂46 2nd YEAR ANNIVERSARY LIVE』を決行。楽曲によりセンターが代わるシステムで、この難局を見事に乗り越えていく。

 各々が成長した7月に平手が復帰し、エースの凱旋で完全体となった漢字欅は、『欅共和国 2018』、7thシングル『アンビバレント』のリリースと順調に歩みを進めた。そんな中、『欅坂46 夏の全国アリーナツアー2018』ではグループの成長の証とも言える出来事が起こる。最終日に平手がステージから落下し一時不在となるも、「二人セゾン」で小池美波が平手に代わり、アドリブでセンターに立って踊り出したのだ。成長して強くなった姿を言葉ではなく、パフォーマンスで示した。この日の最後には、病院から戻ってきた平手がメンバーに笑顔で迎え入れられるという劇的なエンディングを迎えている。今まで平手に支えられてきたグループが、今度はみんなで平手を支えるという、本当の意味で漢字欅を守るためにメンバー全員が一致団結した瞬間だった。

 『B.L.T. 2018年2月号』のインタビューで、菅井はこの1年を振り返り「団結力が強まったと思います。『1人1人が欅坂46なんだ』って自覚を持って取り込めるようになった」と答えている。ただこの自覚が芽生えたことにより、結果的に自分は違うと思ったメンバーの卒業へと拍車をかけたのも事実だろう。

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