乃木坂46が『紅白歌合戦』で生んできた数々のドラマ 西野七瀬ラストの2018年出場に向けて

2018年「帰り道は遠回りしたくなる」

乃木坂46 『帰り道は遠回りしたくなる』

 2018年、ドーム&スタジアムツアーを成功させ、メンバー個々としても様々なフィールドで活躍を見せた乃木坂46。一方で、西野七瀬を含む多くの卒業メンバーがグループを旅立っていった激動の年でもあった。『紅白』出場4年目の乃木坂46が披露するのは、西野の卒業シングル曲「帰り道は遠回りしたくなる」。西野はこの『紅白』のステージをもってグループを卒業し、2月に故郷の大阪・京セラドームにて卒業コンサートを開催する。

 「帰り道は遠回りしたくなる」は、MVや振り付けの至るところに西野の7年間が詰まっている。その一つが、Dメロにて、西野がメンバーとポジションを入れ替える振り付けの演出。本来は、西野の後を追うように卒業を発表した若月がそのポジションを担当していたが、先にグループを後にしたため、現在は秋元真夏や高山一実など、西野と特に縁深いメンバーがその役目を担っている。昨日より『紅白』のリハーサルがスタートしており、筆者が取材をした際、ステージでは秋元が該当ポジションを担当していた。(参考:乃木坂46 西野七瀬、卒業シングル曲での『紅白』出場に感謝 「華やかな感じで終われたら」)共に笑いあう姿は、2人の関係性を知っているファンには感極まる瞬間となるだろう。ステージには4期生を除く、アンダーメンバーを含めた1期生から3期生全員が集合し、西野の最後の舞台に華を添える。

 リハーサルを観ていて印象的だったのが、一人何度も、何度もサビの振り付けを確認する西野の姿。真剣なその表情からは、最後の『紅白』に向けた気迫、覚悟が伝わってきた。また、例年通り客席にはウラトークの席が設けられているが、今年、その席にバナナマンはいない。乃木坂46の『紅白』出場はバナナマンの姿と共にあった。ある種、乃木坂46だけで“一歩目を踏み出す”初の『紅白』とも言える。歌い出しの〈好きだった… この場所…〉は、西野にとっての乃木坂46を一つ示している歌詞であるが、リハーサルを通じ、思い出が詰まったNHKホールも意味しているのではないかと気付かされた。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

関連記事