C&K、歌とエンターテインメントでみせた一夜限りのステージ 10周年記念した横浜アリーナワンマン

 にぎやかな演出は枚挙にいとまがなかったが、終盤の「にわとりのうた」付近からの畳みかけ方は圧巻だった。同曲や続く「MENDOKUSE」で、CLIEVYが宙吊りトロッコで“アナログでフライング”(本人談)する様はなんともパンキッシュに映った。両親をモデルにしたという「ジェニファー何度もあなたに恋をする」や「1日の向こう側」といったバラードをじっくりと聴かせたかと思えば、アッパーなダンスチューン「終わりなき輪舞曲」からディスコテイストのメジャーデビュー曲「梅雨明け宣言」にかけては、怒涛の如く会場全体を盛り上げていく。

 そんなC&Kのステージを支えているのが、熱狂的といえるほどノリのいい四池さんたちの存在だ。ほとんどの席が固定されているにも関わらず、芝生席からアリーナ、スタンドまで大小無数のサークルが発生した「踊LOCCA~」、歌詞に合わせた「S・P・A!」コール&ザ・ドリフターズの「いい湯だな」をモチーフにした振付で爆発的に盛り上がるスカ・ナンバー「入浴」、アンコールでのゴスペルナンバー「愛を浴びて、僕がいる」での力強い1万人の大合唱は感動的ですらあった。この日何度も感謝の言葉を口にしつつ、C&Kバラードの代表格といえる「Y」では〈君は僕の希望さ〉と歌いながら、客席をじっと見つめていたCLIEVYの表情が忘れられない。

 アンコールのMCでは「僕らは神奈川の大学で出会って、それから10年もC&Kをやるなんて、当時は思いもしなかった。結成の地・横浜でこうやってたくさんの人に見守られて、この大切な1日をこうやって空けてもらったということに感謝の気持ちでいっぱい」とCLIEVYが挨拶。KEENは「涙は(常々目標として語ってきた)紅白まで取っておきたい」と語り、拍手喝采を浴びていた。エンディング曲「帰れ」でゲストやバンドメンバーを帰していき、最後にCLIEVY がKEENの肩を借りながらゆっくりとはけていく後ろ姿に、この先も変わらないであろう2人の関係性を思い、とても温かな気持ちになった。

 現在はCLIEVYのケガにより延期となっているアルバム『TEN』のリリースが待たれる彼ら。年末には恒例のカウントダウンライブも決定しているが、1人でも多くの人の目と耳にC&K流の“めんどくせえ”エンターテインメントがふれることを願ってやまない。

(文=古知屋ジュン/写真=鳥居洋介、三浦知也)

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