ラストアイドル『Everything will be all right』インタビュー
LaLuceが語る、ラストアイドル二度目の栄冠とプロデューサーバトルで手にした“自信”
アイドルオーディション番組『ラストアイドル』(テレビ朝日系)の4thシングル『Everything will be all right』がリリース。表題曲は、Abema TV『ラストアイドル in Abema TV』内で行われたプロデューサーバトルを勝ち抜いたLaLuceが担当する。一度はラストアイドルの栄冠に輝き「バンドワゴン」でデビューするも、のちにシュークリームロケッツに敗退して苦汁を飲んだLaLuce。今作の表題曲を賭けたバトルでは、吉崎綾と古賀哉子の卒業も重なり背水の陣で臨み、悲願だったラストアイドルの座に見事返り咲いた。過酷なバトルを制したその裏にあったのは、不安と葛藤、それでも前を向く強さと笑顔。現在に至るまでの心の動きを追いながら、4thシングル『Everything will be all right』の魅力に迫った。(榑林史章)【※インタビュー最後にプレゼント情報あり】
2人の卒業が余計に「負けてられない」という気持ちにさせた
ーー昨年末のデビューから1年弱、メンバーの卒業などさまざまなことがあって、それを乗り越える中でそれぞれ成長してきたと思いますが、自分ではどんなところが成長したと思いますか?
阿部菜々実(以下、阿部):バトルをずっとやってきたので、精神的な面は強くなったと思います。パフォーマンスの面でも、慣れることが大事だと実感したし。MCも最初はすごく苦手で、今も得意じゃないけど、前よりはスムーズに話せるようになったと思います。
ーーデビュー時のインタビューで阿部さんは、「みんなを認めさせたくてオーディションを受けた」と話していました。
阿部:私の活動にずっと反対していたおじいちゃんが、今はいちばん応援してくれるようになったのもうれしいです。
安田愛里(以下、安田):私が成長できたと思うところも、やっぱり精神的な部分ですね。『ラストアイドル』が始まったばかりの時は、お豆腐メンタルすぎて気持ちの浮き沈みが激しかったんです。精神的に子どもで、世間知らずみたいなところもあって。でも、この1年くらいの間でいろいろなお仕事をさせていただく中で、肝が据わったし精神的にすごく強くなりました。それに、夢というか、将来の人生設計も考えられるようになって、それはちょっとだけ大人になれたかなって思います。
ーー前回のインタビューでは、「アイドルらしくないと言われていた」と話していましたが、アイドルらしくなれましたか?
安田:そこは変わっていないと思うんですけど、「アイドルらしくないからこそ応援したい」と、言ってもらえるようになりました。家族やおばあちゃんも「色黒で走り回っていた愛里が、まさかテレビでこんなにキラキラするとは思わなかった」と、すごく喜んでくれています。今でもアイドルらしくはないけど、諦めなくて良かったと思っています。
長月翠(以下、長月):私は、ちゃんと人に挨拶ができるようになりました。この人に挨拶をしていいのかなとか、今のタイミングで挨拶をしたら怒られちゃうんじゃないかとか、余計なことばかり考えていて。でももっとしっかりしなきゃいけないと思って、最近は大きな声で……いや、そんなに大きな声でもないけど、「おはようございます」とか「お疲れ様です」とか、気にせず言えるようになりました。前回は、プロデューサーの秋元(康)さんの名前を見つけてオーディションを受けたという話をしたと思うんですけど……秋元さんの名前に釣られて受けたものの、過酷すぎてびっくりしたけど、受けて本当に良かったです。
大石夏摘(以下、大石):私は、あまり自己主張するタイプではなかったんですけど、自分の意見を少しは言えるようになりました。学校でも「前よりたくさん話すようになったね」って言われたし。メンバーにも自分の気持ちを話せるようになったのは、1年で成長できたところじゃないかと思います。
鈴木遥夏(以下、鈴木):私はこの1年で、ちゃんとした夢を持つことができました。前はアイドルになりたいと思っていたけど、行動に移せなかったし、母親からオーディションを薦められても「興味がない」と、自分の気持ちに嘘をついていました。でも思い切ってラストアイドルのオーディションを受けたことで、同じ夢を持った子たちと出会って刺激をもらって。自分のやりたいことが考えられるようになったのは、成長だなって思います。前は単に「いい経験」くらいに思っていたけど、今は「ここに残りたい」という気持ちが強いです。
ーーみなさんいろいろな成長があって。それも順風満帆には、いかなかったからこそでしょうね。
安田:2ndシーズンで負けたことも、今は良かったと思っています。負けていなければこういう成長もなかったし、「絶対にラストアイドルの称号を取り戻そう」という、強い気持ちにもなれなかった。
阿部:負けた時はすごく悔しくて、1stシーズンは一体何だったの? と思ったこともありました。でも、2ndシーズンで負けを経験していなかったら、今回こんなにも勝ちたいとは思えなかったと思う。負けることも大事だったというか、負けたことでいい方向に向かうことができたんだと思います。
ーー負けた時は、自分たちに何が足りなかったと思いましたか?
安田:それぞれであると思うけど、私は単に努力が足りなかったのかなって思ったし、グループとしてのまとまりも足りなかったと思います。卒業したお姉ちゃん2人(吉崎綾と古賀哉子)に頼ってばかりで、私たち5人はただついていくみたいな感じだったんです。だから一人一人の意見を述べることも少なかったし。そういうグループとしてのまとまりのなさが、垣間見えちゃったのかなって思います。
鈴木:でも、ラストアイドルinAbemaTVでは逆にまとまったところが見えるようになったと思うし、単純に慣れてきたというのもあったと思います。パフォーマンス中も、自然な笑顔ができるようになりました。前は何をやっている時もずっと緊張しっぱなしだったから、心から楽しむことがまったくできていなくて。今回は、バトルであってもパフォーマンス中はすごく楽しかったです。
大石:人数的にも心にも穴が空いた感じはあったけど、それが余計に「負けてられない」という気持ちにさせてくれたと思います。2人が卒業してダメになったとか、卒業した2人のおかげでLaLuceがあったみたいに思われるのは、すごく悔しくて嫌だったので。
ーーそれで心に火が付いたんですね。
長月:綾ちゃんは歌でも引っ張ってくれたし、いろんなことを経験している子だったので、何か問題があればすぐ「こういう時はこうしたらいいよ」って教えてくれて。そうやって2人から教わったことを大切にしながらも、逆に綾ちゃんと哉子ちゃんが、「やっぱり辞めなければ良かった」と思うように、頑張らないといけないなって思いました。
ーーラストアイドルinAbemaTVは「絶対に負けないぞ」という強い想いで臨んだと思いますが、「勝者はLaLuce」と呼ばれた時は、どんな気持ちでしたか?
安田:「夢?」って感じで実感はなく、驚きのほうが大きかったです。楽屋に戻ってから、みーちゃん(長月)が「私たちがラストアイドルだよ」と言ってくれて、そこで「あ~! ラストアイドルなんだ~!」って、やっと実感が沸いてきた感じです。その時のことを思い出すだけで、今も目頭が熱くなります。
ーーパフォーマンスを終えた時点では、「よし、やったぞ!」という感覚はなかった?
長月:達成感はあったけど、手応えはなかったです。
鈴木:決勝で当たったシュークリームロケッツのレベルがすごく上がっていたから焦っていたし、「緊張したらダメなやつ」だと思ったので、何も考えないようにしていました。
阿部:パフォーマンスではやり切った感があったし、すごく楽しかったです。でも「これは勝てた!」とか、手応えは感じなくて。LaLuceもシューロケも、どっちにも良さがあったと思うし。
大石:決勝のパフォーマンスは、勝つことよりも楽しむことのほうが大事だと思っていて。だから「これは勝ったな」みたいな感覚は、まったくなかったです。
安田:パフォーマンスの前にも、頑張ろうじゃなくて、「LaLuceらしく最後まで堂々と楽しもう」と、みんなで話していました。
ーー楽しんだことが、勝利に繋がったわけですね。楽屋に帰って実感したとのことですが。
鈴木:楽屋に戻ったあとのみんなの表情が、すごくニコ~っとしていて、みんなのこういう笑顔を久しぶりに見たので、それにもジーンときました。
長月:みんな笑顔だったし、めちゃくちゃ泣いたし。
安田:私は、ななみん(阿部)が一緒に泣いていたのが、すごくうれしかったです。普段から笑顔で感情はあまり表に出さないタイプのななみんも泣いていたから、「ななみんが泣いてる~!」って。そういう、いつもは見せない表情を見せてくれたのがうれしかったです。
阿部:あの時は、自分でも泣くとは思ってなかったんですけど、みんながうれしくて泣いていたから、それにつられてしまったのもあったし。シューロケのメンバーを見たら、思わず泣いちゃったんですけど、その時は一緒に戦った他の4組への感謝の気持ちも溢れてきて、それで自然と泣いていました。