May J.がファンに伝えた“歌うことの喜び”と感謝 弦楽四重奏とのハーモニー届けたツアー最終公演

 7月にリリースされた映画音楽のカバーアルバム『Cinema Song Covers』を携えて行われたツアー『May J. Tour 2018 -Harmony-』。全国各地でオーディエンスと共に美しいハーモニーを響かせてきたMay J.は9月16日、東京・Zepp DiverCityでツアーファイナル公演を行った。

May J.

 今回のライブは、ギター/べース/ドラム/ピアノに加え、1stバイオリン/2ndバイオリン/ヴィオラ/チェロのカルテットを迎えたスタイルで展開されていた。近年、イベントライブなどにおいてオーケストラとの共演が増えたというMay J.は、自らの声と弦楽器との相性の良さに気づき、シンフォニックな表現を求めて活動を続けてきたという。その一つの結晶となったのが昨年12月に行われた自身初の単独フルオーケストラコンサートの実現。そして、そこで得た手ごたえがアルバム『Cinema Song Covers』に注ぎ込まれ、今回の弦楽四重奏を盛り込むツアーへと繋がったのである。

 まさに念願でもあり、大きな挑戦でもあるライブ。最終日となるこの日、黒いドレスを纏ってステージに登場したMay J.は、映画『ラ・ラ・ランド』のオープニングテーマ「Another Day of Sun」のカバーでパフォーマンスをスタートさせた。弦を交えた豪華なサウンドの上で軽快なスキャットやグルーヴィなボーカルを披露。その圧倒的な表現力に、会場は心地よいムードに支配されていく。「こんばんは! 盛り上がる準備はできていますか? 一緒に歌いましょう!」という短い挨拶を挟むと、ジャジーなアレンジが施された2曲目の「Garden」へ。サビでの大合唱やアウトロでのコール&レスポンスなど、大きな盛り上がりを見せていく。

 弦楽四重奏を迎えた初めてのツアーが実現したことに対しての熱い思いをMCで語った後は、邦楽カバーを4曲連続で。ステージのバックに大きな三日月が浮かぶ中、凛としたボーカルを届けた「月のしずく」、熱量の高いボーカルに心を奪われた「君をのせて」、シンプルなサウンドで歌の持つ力をあらためて実感させてくれた「ひまわりの約束」、ステージセットの階段に腰掛けながらポツリポツリとつぶやくように歌詞の世界観をしっかりと伝えた「深呼吸」――と、原曲の魅力を大切にしながらも、弦を加えた生バンドとともにMay J.ならでは色で染め上げているのが印象的だった。

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