乃木坂46 若月佑美、11月に卒業へ グループの基盤を作った“舞台演劇”における功績

 若月は、堤幸彦が手掛けた舞台『2LDK』をはじめ、『ヴァンパイア騎士』、『嫌われ松子の一生』、『犬夜叉』などの舞台で主演や主要人物の役を演じ、女優としてのキャリアを積み重ねてきた。香月氏は、彼女がグループに与えた功績を次のように説明する。

「乃木坂46は今日まで、“舞台演劇”を武器にしたグループとして成長を遂げ、多様なタイプの作品にメンバーがキャスティングされるようになっています。その歴史の中で、先ほど挙げた『生きてるものはいないのか』のような作品への出演について言及されることは、それほど多くないと思います。しかし、まだ世間的に乃木坂46と“舞台”との関わりがさほど印象付けられていなかった段階で、若月さんが同作に出演し実績を作ったことは、グループの基盤を作っていく上で大変重要なことだったと思います。同時期には生田絵梨花さんがミュージカルで役者としてのキャリアを歩み始めて注目を集めていましたが、若月さんは生田さんとはまた異なる方向性で道を切り開き、乃木坂46の舞台演劇の幅を広げてきたメンバーです。現在、井上小百合さんや桜井玲香さんらも舞台演劇で頭角を現し活躍していますが、初期から乃木坂46の舞台方面の基盤を作り上げてきたのが彼女だったと思います。また、若月さんと前後して西野七瀬さんもグループを卒業しますが、若月さんや西野さんといった1期生メンバーが抜けていく中、そのメンバーが担っていた部分をどのように2期生や3期生が継承していくのかが、今後の大きなポイントとなっていくでしょう」

 若月はすでに女優としての活動を広げており、近作では松本大洋原作の舞台『鉄コン筋クリート』への主演、10月からオンエアされるテレビドラマ『今日から俺は!!』(日本テレビ系)への出演が決まっている。最後に、彼女のソロ活動への期待についても聞いた。

「現在の活動を見る限り、おそらくこの先も役者を続けていかれるのだと思いますが、グループでの立ち位置を離れ、若月佑美さん個人としてどんな色を出していくのかは楽しみですね。乃木坂46というグループ内ではともすればボーイッシュな役割を引き受けることが多くなりがちな方でしたが、舞台『ヴァンパイア騎士』で主演の黒主優姫役としてヒロインをしっかりと務めていたように、彼女自身は本来、乃木坂46の中で担っていた役柄にとどまらない、広い芸域を持つ方だと思います。それが今後どのような形で発揮されていくのか。演劇に重点を置いてきた乃木坂46なだけに、後進メンバーにとって良いモデルケースになることを期待しています」

 公式ブログで「日程や内容はまだ打ち合わせ中ですが何かしらの形でファンの皆様にはご挨拶をさせて頂こうとは思っています」と明かしていたように、今後なんらかの形でファンの前に姿を表す機会がありそうだ。また11月14日にリリースする22thシングルの選抜でも2列目のセンターに位置するため、そこでのパフォーマンスにも注目が集まる。

(文=泉夏音)

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