s**t kingz、新作『The Library』でみせる“何度も楽しめる舞台” 今後の公演への期待と見所

s**t kingz、『The Library』でみせる“何度も楽しめる公演”

 s**t kingzの新作舞台『The Library』が9月13日より上演中。横浜公演を終え、今後は仙台、愛知、広島、福岡、大阪、東京を回っていく大規模なツアーだ。9日12日に行われた公開ゲネプロと囲み取材に参加した筆者は、シッキンの痛快ダンスエンターテインメントが結成10周年を越えてさらにアップデートされていることを実感した。

Photo by Takanori Tsukiji

 『The Library』は、グループにとって約2年ぶりの新作公演。彼らの単独舞台でおなじみの手法、動きやダンスでストーリーを表現する“無言芝居”で全編構成されている。

 内容は、不思議な図書館を舞台に巻き起こる男たちの友情ストーリー。メンバー4人は、図書館に集まり本を読むのが大好きな男たちを演じる。真面目に読書をしていたかと思えば、遊んでふざけて、怒られることもしばしば。そんな中、本をかたくなに開こうとしない1人の男がいるところから物語が転がっていく。図書館というテーマを選んだことに、リーダーのshojiは「図書館は、今まで生きてきた人のいろんな知恵や知識が詰まっていて、そこに来た人たちが次へとつなげていく場所。今回の舞台も、10周年を迎えたs**t kingzの今までがギュッと詰まっているので、見た人たちがさらに次へとつなげていける場所になれば」と語っている。

Photo by Kazuki Murata

 9月12日(プレビュー公演)から20日まで神奈川・横浜赤レンガ倉庫1号館 3Fホールで行われた12公演は、シッキン史上初のセンターステージ構成だった。360度ステージとあって四方八方に向いてパフォーマンスする姿は、見るほうも新鮮でもあったように、彼らもリハーサル段階から試行錯誤の連続だったようだ。机やイスなどの小道具の位置を工夫し、「今までで一番立体感のあるパフォーマンスになっていると思います」と意気込んでいた甲斐あって、連日大成功を収めた。

Photo by Takanori Tsukiji

 セリフ一切なしで表現する“無言芝居”の見どころは、囲み取材でshojiがこう解説している。「面白いのは、どの国の方でもどの世代の方でもわかるところ。チャールズ・チャップリンの映画を観ても伝わってくるように、観てる人によって違うとらえ方をしてもらえるのも魅力です」。もちろんアクティングだけでなく、ダンスで1曲丸々見せてくれる場面もあれば、shoji、kazuki、Oguri、NOPPOが異なる個性を発揮する濃密なソロパートもある。が、シッキンの舞台はエンタメ性に富んだ明快なもの。彼らの表情や動きから、例えば楽しい、うれしい、悲しい、怖い……今どんな感情が表現されているのか感じ取るのは、ダンス舞台初心者でも難しくないはずだ。「図書館」というテーマで彩られた場内装飾やセットも見どころなので、まずは目に見えるものを素直に楽しむところから始めよう。

Photo by Takanori Tsukiji

 また、劇中音楽がすべて本演目のためのオリジナル楽曲というのもシッキン初の試み。starRo feat.Duckwrthや、FRONTIER BACKYARD、Shingo Sekiguchi(Ovall) feat. Michael Kaneko、 Kai Takahashi(LUCKY TAPES)、jan and naomi、MONJOE(DATS/yahyel)、PART2STYLE、NAOTOなど、豪華ミュージシャンにシッキンが各シーンに合う音楽を発注した。メロウなR&Bからファンク、ブギー、ヒップホップ、歌入りのポップチューン、ビッグバンドビートまで、サウンドは多岐にわたる。音楽ファンにとっても必見の舞台と言えるだろう。

 これらの劇中歌のうち12曲は、s**t kingz初のプロデュースアルバム『The Library』として発売決定。公演会場で先行販売されており12月7日よりA!SMARTで購入できる。なお、5月に先行公開された「The Library」のPVに使用され、本公演のテーマソングとしてstarRoがプロデュースした「3’s(from "The Library”)」は現在配信中。

 「The Library」は10月10日より地方公演へ。9月21日付けのs**t kingzオフィシャルブログで、Oguriは「今度は劇場型にアップグレードさせて各地を回ります!! あーーー楽しみがたくさん!!! 皆さんに会えるのも楽しみです」と綴っている。今回のツアーは自身初の手法として「それぞれの会場の特徴を最大限に生かした3つの演出方法で、何度も楽しめる公演」を目指しており、横浜のセンターステージから通常の劇場スタイルに同内容を演出し直すため、そのリハーサルに励んでいる最中のようだ。

 これまでのキャリアを踏襲しながら、初めての挑戦に満ちた『The Library』。最終地はキャリア最大規模となる東京国際フォーラムホールC。ここに到達した時、結成12年目に突入したs**t kingzの歴史に大きな1ページが刻まれることとなりそうだ。

Photo by Kazuki Murata
Photo by Kazuki Murata
Photo by Kazuki Murata
Photo by Kazuki Murata
Photo by Takanori Tsukiji
Photo by Takanori Tsukiji
previous arrow
next arrow
 
Photo by Kazuki Murata
Photo by Kazuki Murata
Photo by Kazuki Murata
Photo by Kazuki Murata
Photo by Takanori Tsukiji
Photo by Takanori Tsukiji
previous arrow
next arrow

(文=鳴田麻未)

■公演情報
新作公演『The Library』
横浜(全12公演)
プレビュー公演 9月12日(水)  19:00
本公演 9月13日(木)  19:00
本公演 9月14日(金)  19:00
本公演 9月15日(土)  13:00/18:00
本公演 9月16日(日)   13:00/18:00
本公演 9月17日(月祝) 12:00/17:00
            9月18日(火)   休演日
本公演 9月19日(水)   14:00/19:00
本公演 9月20日(木)   19:00

会場 : 横浜 赤レンガ倉庫1号館 3階ホール
問合せ : キョードー横浜 045-671-9911(月~土11:00~18:00)

仙台(全2公演)
10月10日(水) 19:00
10月11日(木) 19:00
会場 : 仙台銀行ホール イズミティ21(小ホール)
問合せ : GIP 022-222-9999(24 時間自動音声案内)

愛知(全2公演)
10月20日(土) 17:00
10月21日(日) 12:00
会場 : 穂の国とよはし芸術劇場
問合せ : サンデーフォークプロモーション 052-320-9100(10:00~18:00)

広島(全3公演)
10月27日(土) 13:00 18:00
10月28日(日) 12:00
会場 : 広島JMS アステールプラザ中ホール
問合せ : テレビ新広島 事業部:082-253-1010(平日10:00~18:00)
キャンディープロモーション広島:082-249-8334 (平日11:00~18:30)

福岡(全3公演)
11月3日(土) 14:00 18:00
11月4日(日) 13:00
会場 : ももちパレス・大ホール
問合せ : ピクニック チケットセンター 050-3539-8330(平日11:00~17:00)

大阪(全4公演)
11月9日(金) 19:30
11月10日(土) 13:00 18:00
11月11日(日) 12:00
会場 : サンケイホールブリーゼ
問合せ : キョードーインフォメーション 0570−200−888 (全日10:00~18:00)

東京(全3公演)
11月21日(水) 19:00
11月22日(木) 19:00
11月23日(金祝) 19:00
会場 : 東京国際フォーラム ホールC
問合せ : キョードー横浜 045-671-9911 (月~土11:00~18:00)

■リリース情報
「3’s(from “The Library”)」s**t kingz × starRo feat.Duckwrth
配信開始日:2018年9月12日(水)0時

『The Library』
先行発売:2018年9月12日(水)
s**t kingz『The Library』公演会場限定(全国7都市開催)
一般発売:2018年12月7日(金)
価格:¥3,500(税込)
<収録楽曲>
01 s**t kingz × FRONTIER BACKYARD / YA!YA!YA!
02 s**t kingz × MASAKI TOMIYAMA / shhhh!
03 s**t kingz × Shingo Sekiguchi feat. Michael Kaneko / Lovin’s on Your Mind
04 s**t kingz × NAOTO / Picture Your Happiness feat.Daisuke Yamamori&Musashi Urick
05 s**t kingz × Kai Takahashi (LUCKY TAPES) / Drag
06 s**t kingz × MASAKI TOMIYAMA / Paper Jungle
07 s**t kingz × jan and naomi  / Insomnia
08 s**t kingz × MONJOE (DATS/yahyel) / I’m alive
09 s**t kingz × PART2STYLE / WINNING feat.Serocee
10 s**t kingz × PART2STYLE / Popping!
11 s**t kingz × NAOTO / The Book Of My …..
12 s**t kingz × starRo feat. Duckwrth / 3’s (from “The Library”)
 All Music Produced by s**tkingz

【パッケージ盤特典】豪華2本の映像をスマートフォンで視聴出来るダウンロードコード(プレイパス)
①  s**t kingz4作目公演『The Library』横浜公演千秋楽映像
② s**t kingzが振り返る10年史対談映像
※パッケージ盤は会場先行発売とA!SMARTシッキンSHOP(12月7日~)のみ取り扱い、店頭流通なし
A!SMART(アスマート)

s**t kingz 公式HP

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる