『シバきあい!!』ツアーファイナルレポ
己龍、BugLug、RoyzらV系シーン担うバンドが集結 レーベル合同ツアー『シバきあい!!』の意義
2018年8月26日、Zepp Tokyoにて『シバきあい!!』ツアーファイナル公演が開催された。
『シバきあい!!』は、己龍、Royz、コドモドラゴンが所属する<B.P.RECORDS>(以下BPR)、DOG inTheパラレルワールドオーケストラ、BugLug、Blu-BiLLioNが所属する<Resistar Records>(以下RR)、2つのレーベルが合同で行った全国ツアーだ。若手ヴィジュアル系の中でも人気のバンドが揃っている公演とあって、会場には多くのファンが集まった。
トップバッターとして登場したのは<BPR>所属の若手バンド・コドモドラゴン。暗転と共に沸き上がったファンの強い声援を受け、メンバーが登場。「RIGHT EVIL」から始まり、ヘヴィで毒の効いた最新シングル曲「棘」を含め、勢いのあるステージを展開した。ハヤト(Vo)はオーディエンスに対し、「もう二度と会えなくてもいい! 今日会えたから!」と放ちつつも、ラストの「HEMLOCK」に入る際「ヴィジュアル系はこんなもんじゃねぇー!」と、シーンへの愛を叫んだ。
2番手は<RR>所属の中での若手にあたるBlu-BiLLioN。「S.O.S.」「Miss Mermaid」といったダンサブルな楽曲を中心に会場を盛り上げた。中盤のMCではミケ(Vo)が「Blu-BiLLioNの物販で青いペンライトを買ったのに、ペンライトを使う曲をライブでやってくれなかった」というクレームを受けた話を披露。それを受け、このあとペンライトをつけっぱなしにしていていいということ、また、Blu-BiLLioNのグッズに限らず、己龍のグッズである扇子や、RoyzのグッズであるRoyzスティック(=ペンライト)など、持っているものはなんでも使ってほしいと告げ、フロアを華やかに演出した。
このまま交互に各レーベルからバンドが登場するかと思いきや、3番手は<RR>所属のBugLugが登場。これまで地方公演も含め、出演順はレーベル交互であっただけあって、この変化は不思議に思ったが、のちにその理由が明かされることとなる。
転換中にLUNA SEAの「ROSIER」を演奏したBugLugは、「Ms.アリゲイター」「SHISHIMAI」など、バラエティに富んだ楽曲をたて続けに披露した。そして終盤、一聖(Vo)は「みんな、好きなバンドを追いかけて。そしたら見えるものが、あると思うから」と優しくオーディエンスに声をかけ、ラストの曲「JUGEMU」へとつなげた。
4番手は<BPR>所属のRoyz。ミステリアスで妖艶な雰囲気漂う最新曲「DOLL」で幕を開けたステージは、続く「JOKER」でさらなる盛り上がりをみせた。MCでは昴(Vo)が、Blu-BiLLioN・ミケのペンライトについてのMCに対し「あれは俺が地方公演で言ってきたことだ! 今日はBlu-BiLLioNが先に出たから、先に言われた!」と冗談交じりに暴露。2人の仲がこのツアーで深まったことが垣間見える瞬間であった。Blu-BiLLioNに同じく、持っているものはなんでも使っていいとアナウンスがされ、ライトや扇子がフロアに再び溢れると、ラストの「ANTITHESIS」まで駆け抜けるステージとなった。
その後、この日出演した<RR>所属の中で最もバンド歴の長いDOG inTheパラレルワールドオーケストラのステージが始まるかと思いきや、幕があがると大勢の人影が。なんと各バンドから選抜されたメンバーと共に登場したのだ。レーベルを超えて信頼関係が築けた証といえよう。希望に満ちた「JOY TO THE WORLD」から狂気的な「DOUBLE SUICIDE」まで幅広い楽曲を披露するなか、MCでは春(Vo)が「今日、どういう順番だか分かる?」と問いかける場面があった。「結成して、活動してきた順だよ」と種明かしされ、このイベントがお互いのバンドをリスペクトし合って成り立っていることが実感できる瞬間となった。ステージは最新曲「バイバイ。」で締めくくられた。