マーク・パンサー、47都道府県ツアー敢行 小室哲哉からの言葉を胸にDJで繋ぐ“globeへの思い”

マーク・パンサー繋ぐglobeへの思い

TKの言葉は、先生からのヒントのようだった

ーーまずは47都道府県ツアーを終えた感想を聞かせてください。

マーク・パンサー:最初の1発目から10発目までは終わらないんじゃないかと思うくらい先が見えなかったけれど、終わってみるといけたなというか。今日もあれだけの人たちに集まってもらえて、続けることは大切なことなんだと改めて思いました。終えることは簡単なんだけれども、続けるのはすごいことなんだなと。だからちょっと感動しましたね。47都道府県を終えて、残るのは感動でした。でもまたこれが始まりなんじゃないかなとは思ってますけどね。やっぱり「DEPARTURES」(出発)ですからね。

ーー旅の間で辛かったこと、苦労したことは?

マーク・パンサー:それほど苦労はないです。47都道府県って日本人であっても全部は行ってないと思うんですよ。だからワクワク・ドキドキのほうが強くて。一回捻挫をした時も痛い、辛い、のはずなのに、次に行けるんです。次の街はどうなんだろう。次の人たちは、次のgloberは……そう思えることが楽しかったですね。だから、辛さはないんじゃないかな。でも2回目は辛さがわかってくるのかもしれない。1回目はドキドキ・ワクワクの波に乗っかって、楽しかったっていうのが率直な感想ですね。

ーー小室さんから「ともしびを消すな」と言われたというエピソードについて改めて教えてください。

マーク・パンサー:KEIKOが倒れて歌えなくなった時にTK(小室哲哉)に「ともしびを消すな」と言われて。悩んだんですよ。「3人のうちの1人の俺に何ができるんだろう」って。その方法がラップというのも少し違うなと思っていた時にターンテーブルに出会って、DJを始めました。KEIKOが倒れた後なので、7年前くらいですね。DJもglobeでラッパーだったら当たり前のようにできると思う人もいるんだろうけど、できないものをゼロから勉強して、自分もちょっとずつ成長していると思います。今は一人だから孤独っていうのはあるんだけれども、それを乗り越えるための成長はしているんじゃないかな。だからこそ、48歳でもいろんなチャレンジをしているマーク・パンサーがいるのだと思うし。「ともしびを消すな」は先生の一言みたいな感じだったんじゃないですかね。メンバーの一言、ボスの一言、プロデューサーの一言っていうよりも、先生から教えてもらった一つのヒントだったような気がする。「お前が成長するための『ともしびを消すな』なのかもしれないぞ」と。

ーーなるほど。

マーク・パンサー:どれだけすごいことをした人たちでも、もしかしたら一週間くらいで人の記憶からどんどん消えていくんじゃないかなと思うんです。だから「ともしびは消さない」のプロジェクトは続ければ続けるほどいいと思っています。僕がクラブでみんなをヒット曲で盛り上げて、一番盛り上がった時に「DEPERTURES」を流すと、全員が記憶の中から「DEPERTURES」を蘇らせる。その夜SNSで、押入れに隠れていたglobeのアルバムを取り出して「今聞いてるんだよね、やっぱいいよね」とか書いているのを見ると、「そうだな、続けてかなきゃな」と思うんですよね。

ーーDJを実際に始めてみてどうでしたか?

マーク・パンサー:DJというある種のメディアになって、そこにいる2,000人、3,000人を盛り上げて、そこにglobeの曲を落とす。ラジオのゴールデンタイムにドカンと鳴らすみたいなことと一緒ですよね。僕のプレイは1時間半しかないんだけれど、その1時間半をうまく使えるのがDJという職業なんじゃないかな。そしたらドンピシャでしたね。どっちかというと自分はワンマンプレイなところがあって、スポーツもチームプレーよりも剣道とか水泳とかが好きなタイプなんです。DJは一人でできることだったから合っていたのかもしれないですね。

ーーDJとしてglobeの音楽と向き合ってみて気づいたことはありますか?

マーク・パンサー:最初はオリジナルをクラブで流すとどうしてもスカスカした感じがあって。DJプロデューサーの勉強をずっとしていたので、DJとして音楽プロデュース・リミックスをしていくと、クラブに曲を合わせることができていく。そうなると会場の盛り上がりも変わっていくんです。

ーー今日も臨場感がある、とても面白い体験をさせていただきました。

マーク・パンサー:いろんなゲストにも出てもらえたし面白かったですよね。これからもお客さんの顔が見える位置で、もっと気楽にやっていきたいです。イベントの最後に握手会や撮影会もやっていたんですけど、そういうことがきっと大切なことだし続けなきゃなと。47都道府県ツアーではライブが始まる1時間前に集合写真大会をやっていて、それも面白かったですね。各地みんなちゃんと集合場所に集まってくれてるんですよ。昔だったら考えられないんだけど、今だからこそやるべきことの一つだし、そういうことがもしかしたら今後globeを続けていく上でのヒントなのかもしれません。

↓千葉公演前の集合撮影大会

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