3rd Single『歓びの陽』レビュー

SHE’S、シングル『歓びの陽』でより洗練された音楽性 進化続けるバンドの“今”のモードを分析

 一方、2曲目に収録されている「Upside Down」(TVアニメ『アンゴルモア元寇合戦記』エンディングテーマ)は、お題ありきで新しい側面を提示できた書き下ろし曲なのではないだろうか。プリミティブなフロアタムの力強さやロマ的な民族色の強いAメロのフォーキーなニュアンス、そしてサビ前のギターリフとストリングスリフがともに士気を高め合うようなアレンジ、サビでのコーラスアレンジが、井上が長らく好んでいるMumford & Sonsの力強さを想起させる。

 「歓びの陽」の洗練さと対極的な生身のバンド感がありつつ、ヨーロッパの辺境の地を思わせるリズムとメロディをここまで前面に打ち出したという意味では、この曲もチャレンジングである。ちなみに同アニメのオープニングテーマはストレイテナーが手がけた「Braver」。両バンドが物語をどう捉えているのか聴き比べてみると面白い上に、リズムアプローチに共通するものを少し感じることができて、オープニングとエンディングでとても良い関係を築いているのも素晴らしい。

 3曲目は、井上のピアノ弾き語りによる「Monologue」。タイトル通り独白である。Coldplayのクリス・マーティンが持つようなスケール感はすでに井上の血肉となっていて、そこに日本人の琴線に触れるマイナーとメジャーが心地よく行き来するメロディがもはやピアノも歌も一体化しているイメージだ。サウンドやアレンジでチャレンジングな方向性を示した2曲の後に、歌を作るシンプルな井上の軸を形成する素に触れるかのようで、ファンにはたまらない1曲だろう。

 表題曲ではもちろん最新のバンドの音楽性を提示しつつも、メインとカップリングという関係にはない今回の内容。CDでもサブスクリプションサービスでも、一度全曲を聴いて、このシングルに張られた伏線をリスナーそれぞれの解釈で楽しんでみてほしい。

■石角友香
フリーの音楽ライター、編集者。ぴあ関西版・音楽担当を経てフリーに。現在は「Qetic」「SPiCE」「Skream!」「PMC」などで執筆。音楽以外にカルチャー系やライフスタイル系の取材・執筆も行う。

■リリース情報
3rd Single『歓びの陽』
配信はこちら
発売:8月8日(水)
【初回限定盤(CD+DVD)】¥1,836(税込)
【通常盤(CD)】¥1,080(税込)
【完全数量限定盤(CD+サコッシュ)】¥2,600(税込)
※UNIVERSAL MUSIC STORE限定販売

<CD収録曲>
M1「歓びの陽」:「モンストグランプリ 2018 チャンピオンシップ」大会イメージソング
M2「Upside Down」:TVアニメ「アンゴルモア元寇合戦記」 エンディングテーマ
M3「Monologue」
M4「歓びの陽(Instrumental Version)」
M5「歓びの陽(Backing Track Version)」
※全5曲収録、デジタル配信のみ「Over You (Live from Sinfonia “Chronicle” #1)」を6曲目に収録。

<DVD収録内容>
『Sinfonia “Chronicle” #1 ~前篇~』
「Morning Glow」「Beautiful Day」「Just Find What You’d Carry Out」「Long Goodbye」「Evergreen」「幸せ」計6曲

■ツアー情報
『SHE’S Autumn Tour 2018 “The One”』
11月16日(金)福岡 DRUM Be-1
open18:30/start19:00

11月18日(日)広島 CLUB QUATTRO
open17:15/start18:00

11月21日(水)札幌 KRAPS HALL
open18:30/start19:00

11月24日(土)名古屋 CLUB QUATTRO
open17:15/start18:00

11月25日(日)大阪 CLUB QUATTRO
open17:15/start18:00

11月28日(水)仙台 darwin
open18:30/start 19:00

11月29日(木)渋谷 CLUB QUATTRO
open18:15/start19:00

チケット前売:オールスタンディング¥3,500(税込・入場時別途ドリンク代)
ツアー特設サイト

■関連リンク
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SHE’SオフィシャルTwitter
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