レイザーラモンRGが熱く語る、サザンオールスターズへの愛「“刺さる曲”を毎年のように出している」
音楽産業の一番美しい姿が、サザンオールスターズとそのチーム
ーー今回8月1日に発売された40周年プレミアムアルバム『海のOh,Yeah!!』に収録されている新曲の感想についても聞かせてください。
レイザーラモンRG:「壮年ジャンプ」はサビになってバン! とテンポが変わる感じがすごく良いですよね。これはサザンの曲にも何曲かある、お世話になった人とかに向けて歌うタイプの歌詞じゃないですか。このフレーズはあの人なのかなって言うのがたくさん散りばめられていて、それを想像しながら聴くとウルっときちゃう感じですねぇ。あと、「君にメロメロ」の節回しなんかは思わず歌いたくなるというか、カラオケで決めたいところです。
ーー「闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて」はいかがでしょう。
レイザーラモンRG:この曲の一番気持ちいいところはサビの〈戦場で〉、〈根性ねぇ〉、〈Night and Day〉などのところですね。現代社会をズバッと切るようなメッセージ性のある曲を書きながら、韻を踏む歌詞の、そしてサビのメロディの気持ち良さを作れてしまう桑田さんっていう。
ーーサラリーマンのことを歌詞に書くサザンというのも……。
レイザーラモンRG:もちろん色々とあるんですけど、珍しいですよね。おふざけの感じが全くなく、恋愛も絡んでない。特にこの曲は、サザンオールスターズの楽曲のテーマとしては斬新ですよね。
ーー歌詞の話が出たのでお聞きしますが、サザンの楽曲で特に歌詞が好きな曲はありますか?
レイザーラモンRG:「Oh! クラウディア」の〈湖にあなたと 舟を浮かべたままで/二人とも裸なら〉みたいのが「え。どういうこと!?」ってなるんですけど、逆にそこが記憶に残るんですよね。そこが桑田さんが書く歌詞のすごいところで。ちょっとあり得ないことを言った時の方がぐさっときますよね。
ーー節回しや韻の踏み方、ルビの振り方など色々特徴的だとは思うのですが、RGさんなりの桑田さんの好きな言葉の使い方や印象に残っているものがあれば教えてください。
レイザーラモンRG:「た行、ら行をより英語っぽく歌いがち」なところは、洋楽好きの僕としては堪らないですね。僕は「ミス・ブランニュー・デイ (MISS BRAN-NEW DAY)」のイントロを、本当に洋楽だと思ってるんです。ど頭に関しては音先行で書かれたと思うんですけど、この曲と「Bye Bye My Love (U are the one)」はもはや洋楽だと思います。
ーー今回聴いた新曲も何年か後にまた引っかかる瞬間があるかもしれないですね。
レイザーラモンRG:いや、それが本当に楽しいんですよ。その時が。
ーーいつの時代にも響くサザンの音楽の魅力は、どんなところにあると思いますか?
レイザーラモンRG:桑田さんの声ですかね。特別なものなんですよね……日本人にとって絶対に必要な主食である米のような存在なんです。おかずとか調理法は変わってるけど、米は絶対食べちゃう。そういう成分がサザンにはあって。それとCMやドラマのタイアップの効果もあると思うんですね。過去の曲でも、絶対聴いたことのある曲っていう。今、本当にCDが売れないとか、曲がいっぱいあってどれを聴いていいかわからない中で、刺さる曲を毎年のように出していることの恐ろしさをみんなもっと考えたほうがいいよって思います。忘れられていく曲が多い中、必ず刺してくるという恐ろしさですよね。それをサザンオールスターズの皆さん、そしてスタッフさん含めて曲を世に出して広めて残していこうと努力している。音楽産業の一番美しい姿が、サザンオールスターズとそのチームだと。マジで思う。世界中羨ましがるチームだと思う。
世代を超えてみんなで楽しめる音楽
ーーサザンのライブの印象は?
レイザーラモンRG:僕は実は、生では観たことがなくて、映像だけなんですが、「HOTEL PACIFIC」や「マンピーのG★︎SPOT」で女性ダンサー出てきた時に必ず横に行って触りがちというのがありますけど(笑)。触った後に、原さん抜かれがち(笑)。
ーーサザンあるあるですかね(笑)。
レイザーラモンRG:ありますけど。まあカラッとしたスケベ感。……「マンピーのG★SPOT」はよく発売できたなっていう。うちの相方のHGくらい攻めたなって思います。当時としては。ギリギリをいくという。
ーーライブにおけるエンターテイメント性も抜群ですよね。
レイザーラモンRG:スタジアムバンドじゃないですか。だから、小さいところで見たらどうなるんだろうというドキドキはありますね。今年はフェスに出ますよね?
ーー今年は『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018』に出ます。
レイザーラモンRG:去年『氣志團万博』に山下達郎さんが出て、若者に見せるということに対して山下達郎さんも気合い入っていたと思うんですけど、我々も見させていただいて震えたというか、凄すぎて。だから、同じようにサザンもファンを増やして帰ると思うんです。日本を代表するバンドが、フェスで「よっしゃ」って気合いを入れてイケイケのヒットソングを繰り出した時の凄さを期待したいですね。
ーー最後に、改めて40周年のお祝いコメントをいただければと思います。
レイザーラモンRG:新しく入ってきた構成作家が沖縄から来たまだ20代の子で、20くらい歳が離れているのに、ご両親がサザンファンだということで、サザンの話ですごく盛り上がりました。そんな風に世代を超えてみんなで楽しめる音楽をたくさん作っていただいて本当にありがとうございます。僕的には勝手ながらあるあるを歌わせていただいておりますけれども、いつも本当に盛り上がりますし、歌ってて気持ちいいし、本当にいい曲をたくさん作っていただいてありがとうございます。次は50年、60年と、たとえ桑田さんの声が出なくなった時も客のみんなが歌いますので、曲を作ることをやめないで、しんどいなと思ったら休みながら、末長く続けてほしいです。
(構成=編集部)