フジロック2018、要注目の洋楽アクトは? 小野島大が50組を徹底解説
28日(土)
[Green Stage]
Kendrick Lamar
今さら説明するまでもない米ヒップホップの最高峰に位置するラッパーであり、音楽面でもポップアイコンとしても社会的な影響力という意味でも、あらゆる点で現在のポップミュージックの最重要と言える人物です。先ごろ東京メトロ国会議事堂前駅と霞ヶ関駅に、黒塗りの来日告知広告を出して話題となりました。フジロックへは大出世作『To Pimp a Butterfly』(2015年)のリリース前の2013年に一度出演しています。その時裏のビョークを見ていてケンドリックを見逃したのが個人的な痛恨事なんですが、その後の大ブレイクでギャラが高騰し日本のフェスへの出演は難しいのではないかと思われていただけに、今回の出演決定は快挙と言えるでしょう。見逃し厳禁です。
Skrillex
現代EDM/エレクトロハウスの第一人者スクリレックスの出演は2013年以来です。一口にEDMと言ってもいろいろありますが、この人のスタイルはとにかく派手でダーティでノイジーで刺激たっぷり。骨太なベース音をまるでヘヴィメタルのギターリフのように楽曲の中心に据え、美しく典雅なシンセ音と様々なサンプリングを配して凄まじい音圧で圧倒します。
Johnny Marr
これまた説明するまでもない元The Smithsの達人ギタリスト。初の自伝『ジョニー・マー自伝 ザ・スミスとギターと僕の音楽』に続き、ソロアルバム『Call The Comet』を引っさげてのフジ登場です。新作はこれぞジョニー・マーと言わんばかりの、「求められるジョニー・マー像」をきっちり聴かせてくれる、ファンなら嬉しい作品でした。ギターも美しくメランコリックに鳴っています。フジではThe Smithsの名曲もまじえて楽しませてくれるはず。
[White Stage]
Fishbone
Red Hot Chili Peppersにも大きな影響を与えた西海岸ミクスチャーの元祖。何度も来日していて日本にはなじみ深いバンドですが、フジロックは2010年以来の出演。絶対に客の期待を裏切らない生粋のライブバンド。今回も盛り上げてくれるはず。
Ash
北アイルランドの「恐るべき10代」、Ashももはや結成25年。最新作『Islands』では相変わらずオーセンティックで情熱的なポップロックを聴かせてくれます。日本でもファンが多く、フジロックにもお馴染みのバンド。安心して楽しめそうです。
Starcrawler
話題の西海岸ガレージ4人組。1stアルバム『Starcrawler』をリリースしたばかりです。弱冠18歳の女性ボーカリスト、アロウ・デ・ワイルドが針金のように細い手足を痙攣させながらのたうち回る狂乱のライブパフォーマンスは確かに面白い。私は見逃しましたが、春の単独来日公演も好評だったようです。なにより、「今この時に見ておきたい」刹那感がハンパないので、少しでも関心あるなら見逃し厳禁です。
[Red Marquee]
MGMT
NYブルックリンのインディポップ2人組。「Kids」「Time To Pretend」「Electric Feel」といったアンセムでセンセーションを巻き起こしてから9年もたつのかと思うと時の流れは早いですが、新世代アートサイケポップの象徴だった彼らは紆余曲折を経て今も健在。新作『Little Dark Age』を引っさげ、2010年以来のフジロック復帰です。
Superorganism
ロンドンを拠点に活動、イギリス、日本、オーストラリア、ニュージーランド、韓国という多国籍のメンバー8人によるロンドン拠点のバンド。英名門<Domino>と契約し1stアルバム『Superorganism 』を発表したばかりです。エレクトロ、ローファイ、サイケ、ヒップホップなど多彩な手法によるオフビートなインディポップ。ヘタウマなボーカル(17歳の日系少女Orono)が味です。このバンドこそ苗場食堂で見ると最高に楽しそうですが……。
Lewis Capaldi
スコットランド出身の21歳のシンガーソングライター。9歳のころにギターを始め、12歳の時にパブで歌い始めたという早熟児です。2017年デビュー、まだアルバムリリース前の新人ですが、各ストリーミングサービスの再生回数はずば抜けていて、2018年4~5月はサム・スミスのヨーロッパツアーのサポートを務めるなど大きな注目を集めています。とにかくずば抜けて歌がうまく、声が強い。楽曲の出来も素晴らしく、ほとんど弾き語りに近いようなシンプルなバックであっても、いやだからこそ、その表現力の凄さと説得力はハンパではありません。掛け値なしの大物です。早い時間ですが、お見逃しのないよう。
[Tribal Circus]
Princess Nokia
NYのプエルトリコ系女性ラッパー、ディスティニー・フラスケリことプリンセス・ノキア。オールドスクールR&B/ファンクをベースにモダンで垢抜けた感覚のアレンジで、軽やかで歯切れのいいラップを聴かせます。フェミニズム的視点から都市に生きる20代黒人女性の心情をしなやかに表現する姿勢もかっこいい。ボズ・スキャッグスの大名曲「Lowdown」を大胆に引用した「Soul Train」は必見・必聴です。
The Avalanches (DJ Set)
The Avalanchesが16年ぶりの新作『Wildflower』を引っさげてフジロックのグリーンステージに登場したのは昨年のこと。女性ボーカルをフィーチャーした生バンド形式のショーは、徹底してオプティミスティックでハッピーでアップリフティングな楽しいライブだったものの、彼ららしい自由奔放さがイマイチ影を潜めていて、個人的には少し物足りないような気もしました。むしろ今回のようなDJセットの方が、彼ららしさが存分に発揮される気がします。
[Field Of Heaven]
Carla Thomas & Hi Rhythm W/Very Special Guest Vaneese Thomas
なんとメンフィス・ソウルの女王、<Stax Records>ド全盛期を象徴する歌姫が御年75歳にしてフジロック初登場です。あのオーティス・レディングとも共演したサザンソウルの華。昨年のライブ動画を見る限り、声も出ているし、喋りも快調、カラダも動いています。こういうレジェンドを気軽に見られるのがフジロックの醍醐味ですね。
Rancho Aparte
Rancho Aparteはコロンビアの7人組。カリビアン、アフリカンからラップ、ソウル、ファンクといった音楽をミクスチャーしています。基本的に歌もので、ボーカルが強力でコーラスもキャッチー。いかにもフジロックの場に合いそうなバンドですね。同日深夜クリスタル・パレス・テント、初日の木道亭にも出演します。すべて生楽器でドラムセットを使わないので身軽。もしかしたらそのほか会場のあちこちで見られるかもしれません
- Starcrawler
- Parquet Courts
- Jon Hopkins
- Peggy Gou
- HVOB
- Marc Ribot's Ceramic Dog
- The Teskey Brothers
- Esne Beltza
- Nathaniel Rateliff & The Night Sweats
- Interactivo
- Hothouse Flowers
- Nick Moon
- Ray Barbee
- Johnny Marr
- フジロック
- MGMT
- Lewis Capaldi
- Princess Nokia
- Carla Thomas & Hi Rhythm W
- Rancho Aparte
- Bob Dylan & His Band
- THE FEVER 333
- Berhana
- Greensky Bluegrass
- Ben Howard
- Western Caravan
- Frente Cumbiero
- SANDII&DENNIS BOVELL
- Serpentwithfeet
- 小野島大
- ROCK
- POP
- Superorganism
- ODESZA
- N.E.R.D
- KENDRICK LAMAR
- POST MALONE
- MAC DEMARCO
- TUNE-YARDS
- Let's Eat Grandma
- THE AVALANCHES
- ANDERSON .PAAK & THE FREE NATIONALS
- KALI UCHIS
- KACEY MUSGRAVES
- YEARS & YEARS
- HINDS
- SKRILLEX
- CHVRCHES
- ASH
- Albert Hammond Jr.
- Jack Johnson
- Fishbone
- Vampire Weekend
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