SHINeeは“大切なもの”と一緒に歩み続ける デビュー10周年記念アルバムから伝わるメッセージ

菅原小春が手掛ける幻想的な世界観のダンス

 「Good Evening」 のダンスを手掛けたのは、日本人ダンサーである菅原小春だ。彼女はテミンの日本初のソロ曲である「さよならひとり」や、その後の「Flame of Love」、そして2017年に発表された韓国でのソロ曲「MOVE」でも振付を手掛け、「MOVE」のMVでは共演もしている。今回の振付を担当したのは、テミンの強い推しがあったということだが、菅原小春に対するテミンの強い信頼が感じられる。

TAEMIN 태민 'MOVE' #1 MV

 今までもSHINeeは仲宗根梨乃やトニー・テスタといった有名な振付師たちと共に、実験的で斬新なダンスを披露してきた。簡単に歌いこなせないような曲を歌いながら、難易度の高いダンスを軽々と(見えるように)踊ってみせる。高い音楽性、そしてそれに伴う高度で完璧なダンスパフォーマンスが、SHINeeの魅力なのだ。

 「Good Evening」は、 浮遊感のあるサウンドに合わせ、柔らかい雰囲気の幻想的なダンスに仕上がっており、今まで多かったテクニカルなダンスとは一味違う世界を醸し出している。これが菅原小春が生み出した新しいSHINeeなのかもしれない。

デビュー10年を迎えたSHINeeの「決意」

 メンバーのテミンは出演した番組『ラジオスター』で「(この困難に)打ち勝たなければ、メンバーと離れてしまう。それは嫌だから一緒に乗り越えることにした。アルバムをリリースしたこともそうだ」と語っていたが、それこそがSHINeeの決意なのだろう。

 『星の王子さま』には「大切なものは目には見えない」というフレーズがある。SHINeeにも、目には見えなくても存在する大切なものがある。彼らが「続ける」という選択をしたのは、今は見えなくなってしまったけれど、確かにあったジョンヒョンとの絆とともに生きていく決意だったのだろう。再び動き出したSHINeeが今まで以上に自然体のSHINeeであったことが、これを証明してくれたように感じた。

■西門香央里
東京在住のフォトライター。K-POP、韓国トレンド、旅行、グルメ、カルチャーなどを中心にWebメディアなどで活動中。年3〜4回の渡韓でエネルギーを蓄えている。いつまでも年齢不詳でありたい通年おかっぱの人。座右の銘は「努力は裏切らない」。
寄稿媒体:いまトピ、エキサイト、TABIZINE、SHELBEE…等
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