『堂本剛の素』第4回「つくりかた」後編
KinKi Kids 堂本剛、楽曲制作で意識していること “アート的な感覚”から探る
「この曲はどういった曲なんですか? っていう質問がくる時代自体がおかしい」と意見する剛。「いや、説明してるやんみたいな。それで理解できないんであればそれでいいしね。わかる人にわかってもらったらええねんっていう感じで作ってるから」とすべてを曲の中に込め、そこに提示しているからこそ、受け取れる人だけが聴いてくれればいいと語った。剛自身、細かく説明されすぎると「探究心なくなる」という。ガイドブックも便利だが、情報が少なくてちょっと不便な方が面白いと熱弁した。音楽を作る時もまた然りなんだとか。だからこそ、剛が作る音楽は言葉では説明できないが、なんだか聴いてて気持ちいい曲なのだろう。
ATSUSHI NAKASHIMAもまたそんな剛の“アート的な感覚”に共感したという。幾何学模様が特徴である自身のブランドと相性がいいため、楽曲をオファーしたという。説明できない心地よさ、独特の世界観、頭が混乱しつつも癖になる何か……剛が手がける楽曲は芸術性に溢れている。理解できないけど印象に残り、一度聴いたら頭から離れない。私たちの好奇心を刺激し、想像を膨らませる。まるで、宇宙のようだ。
すべてを自身の感性で創造する堂本剛の「つくりかた」。ものづくりを通して剛は「僕なりの愛」を表現しているという。そんな剛の頭の中は、宇宙のように無限に広がっている気がしてならない。これから剛はどんな世界を生み出し、私たちの探究心を煽ってくれるのだろうか。ワクワクが止まらない。
(文=朝陽空)