THE PINBALLS、時代に捉われないバンドスタイル シンプルさで勝負するクリエイションに迫る
そんな彼らが今回リリースするニューシングル『Primal Three』。タイトルは光の三原色を意味する“Primal three colors”をモチーフにしており、「原始的/根本的/最初の」という意味を持つ“Primal”からもわかるように、THE PINBALLSの核となるような3曲が収録されている。また、初のメジャー流通盤『NUMBER SEVEN』から約5カ月という短いインターバルで発表されるという点においても、彼らの今の勢いを象徴するような内容とも言える。
オープニングを飾る「Lightning strikes」は、このバンドらしい疾走感とエッジの鋭いバンドサウンドが印象的な1曲。ルーツを大切にしつつも、現代を生きるバンドらしいモダンさも併せ持っており、ライブにおける新たなアンセムとして今後大活躍すること間違いなしだ。また、<細胞と細胞と細胞が脳>など同じ単語やフレーズを繰り返す言葉遊びに満ちた歌詞もTHE PINBALLSの真骨頂と呼べるもので、楽曲のキャッチーさを後押ししている。
かと思うと、2曲目の「Voo Doo」は2000年代のUKロックにも通ずるダンサブルさが色濃く表れたミディアムチューン。彼らのイメージからするとちょっと意外に思えるが、これがぴったり合っているのだから面白い。聴いていると、「Lightning strikes」で熱狂したライブハウスのオーディエンスが、この「Voo Doo」では踊り狂う姿が目に浮かぶようだ。<傷ひとつない奇跡なんて 用はないぜ>という歌詞も、自身の12年近くにおよぶ歴史を彷彿とさせると同時に、どこか自信めいたものを感じさせる。
そして、3曲目には前2曲とは相反するスローバラード「花いづる森」を収録。ソングライター、メロディメイカーとしての才能か遺憾なく発揮された1曲であると同時に、これから花が咲く=バンドの最盛期はこれからと言わんばかりの歌詞からもTHE PINBALLSが今、非常に脂の乗った状態であることが伺える。
3曲の異なるタイプの楽曲で、このバンドの3つの持ち味を紹介すると同時に、良好な今のバンドの状態を示すことに成功したTHE PINBALLS。単なる懐古主義ではなく2018年という現代を生きるバンドとして完成させた、自信に満ち溢れるこのシングルを聴けば、最初に書いたように「時代がようやくTHE PINBALLSに追いついた」と納得するはずだ。さあ、彼らがメジャーフィールドで、いや、今の日本の音楽シーンでどんな冒険を繰り広げるのか、目を離さずにいてほしい。
■西廣智一(にしびろともかず) Twitter
音楽系ライター。2006年よりライターとしての活動を開始し、「ナタリー」の立ち上げに参加する。2014年12月からフリーランスとなり、WEBや雑誌でインタビューやコラム、ディスクレビューを執筆。乃木坂46からオジー・オズボーンまで、インタビューしたアーティストは多岐にわたる。
■リリース情報
THE PINBALLS
Major 1st Single『Primal Three』
4月25日(水)リリース
<収録曲>
1. Lightning strikes
2. Voo Doo
3. 花いづる森
初回盤(CD+DVD)¥1,800(+税)
初回盤DVD収録内容:「NUMBER SEVEN tour@渋谷CLUB QUATTRO」Live映像
通常盤(CD)¥1,000(+税)
作品詳細
■ツアー情報
THE PINBALLS『Leap with Lightnings tour』
2018年5月25日(金) 千葉LOOK
2018年6月03日(日) 岡山PEPPER LAND
2018年6月05日(火) 広島CAVE-BE
2018年6月06日(水) 高松DIME
2018年6月15日(金) 神戸VARIT.
2018年6月16日(土) 京都GROWLY
2018年6月22日(金) 仙台LIVEHOUSE enn 2nd
2018年6月23日(土) 郡山CLUB#9
2018年6月25日(月) 新潟CLUB RIVERST
2018年6月26日(火) 長野LIVE HOUSE J
チケット一般発売日:2018年4月7日(土)
『Leap with Lightnings tour 〜Final Series〜』
2018年7月07日(土) 札幌COLONY
2018年7月13日(金) 名古屋APOLLO BASE
2018年7月14日(土) 大阪 アメリカ村DROP
2018年7月16日(月) 福岡Queblick
2018年7月20日(金) 渋谷TSUTAYA O-WEST
チケット一般発売日:2018年5月12日(土)
TOTAL INFORMATION:
VINTAGE ROCK std. 03-3770-6900 [平日12:00-17:00]
http://www.vintage-rock.com/
公演詳細