THE COLLECTORSのレイジーな日曜日 Vol.2〜12ヶ月連続クアトロワンマン 4月公演レポート〜

ザ・コレクターズ、結成31年目にして加速する勢い マンスリー公演で示した過去を超える姿

 中盤から後半にかけては盛り上がるナンバーが多数。大合唱が途切れることなく続いていく。〈Oh Oh~〉のコーラスがクアトロ全体に響き渡った「ロマンチック・プラネット」の一体感は最高だったし、アゲるだけアゲたあと「子供の頃のマイケル(・ジャクソン)に戻ってる。……わかる? 疲れを知らないってこと!」と言ってのけた加藤のハッタリも素晴らしかった。これはファンの熱気に引っ張られて出てきたセリフであろう。次々と突き上げられる拳。止まらないハンドクラップ。楽曲がそれを求めているかどうかは別として、そのうちダイバーが出てきてもおかしくない、と思うシーンさえあった。実にフィジカルなエネルギーの交換。これは私が知る限り、11年前にはなかったものである。

 武道館がきっかけなのか、古市のドラマ出演が起爆剤か、それとも口コミやイベントで偶然知っていくのか。正確にはわからないが、明らかにファンの反応が若返っている。それを受けてバンドの勢いも加速度的に増している。インストを挟んで炸裂した「NICK! NICK! NICK!」のあとに、新作から「ノビシロマックス」という流れが最高だった。<伸びて行く 無限大 可能性のかたまりさ>なんて歌詞を結成31年目の大御所が歌うこと。それが事実だと実感できること。ちょっと笑ってしまった。凄すぎて。大ベテランの貫禄が……なんて絶対に書けない。目の前にいるのは、上昇気流に乗ったロックバンドそのものだった。

 本編ラストは「嘆きのロミオ」。久々の大名曲ゆえに、感に堪えない表情を見せるコアファンが多数見受けられた。涙腺を潤ませる彼女たちの思い入れ、共に重ねてきた月日の重みは計り知れないし、それを新しいファンが簡単に共有することは不可能だろう。

 でも、大事なのはそこではない、と言い切っていいライブだった。アンコール後にエンディングSEが流れ出し、それでも「まだ踊り足りないだろ!」と4人が再び楽器を手にし、急遽カバー曲「恋はヒートウェーヴ (Love Is Like A) HEAT WAVE」が始まったことのほうが、今の勢いを如実に表すエピソードだったと思う。コレクターズの伸びしろはどこまで続くのか。この先の未来に何があるのか。そんなワクワク感が明らかに勝っていた2時間。さらに激レア曲が登場する予定だというマンスリーライブ。これは見逃せない展開になっていきそうである。

(写真=後藤倫人)

■石井恵梨子
1977年石川県生まれ。投稿をきっかけに、97年より音楽雑誌に執筆活動を開始。パンク/ラウドロックを好む傍ら、ヒットチャート観察も趣味。現在「音楽と人」「SPA!」などに寄稿。

■ライブ情報
THE COLLECTORS CLUB QUATTRO MONTHLY LIVE
『“LAZY SUNDAY AFTERNOON”@SHIBUYA CLUB QUATTRO』
1月21日(日)
2月18日(日)
3月18日(日)
4月15日(日)
5月13日(日)
6月17日(日)
7月15日(日)
8月19日(日)
9月16日(日)
10月14日(日)
11月18日(日)
12月16日(日)
開場 15:15/開演 16:00
チケット一般発売:
1~3月 2017年12月17日(日)
4~6月 2018年3月11日(日)
7~9月 2018年6月10日(日)
10~12月 2018年9月9日(日)
チケット料金:
【前売】大人¥3,900/キッズ¥2,500
【当日】大人¥4,500/キッズ¥3,000
※スタンディング/D代別

The Collectors公式サイト

関連記事