『NGT48単独コンサート 〜未来はどこまで青空なのか?〜』

NGT48の未来は青空のようだーーTDC単独コンサートを振り返る

 セクシーテイストの2曲を経て、さらに場の空気は一転。ジャジーな曲調の「夜風の仕業」ではNGT48の中でも歌に定評のある佐藤と清司がしっとりとした歌声を響かせる。途中から、同曲の原曲歌唱者である柏木が加わると、場内からはひときわ大きな声援が上がり、3人で心地よいハーモニーを生み出しオーディエンスを魅了した。

 ライブ終盤では「未来とは?」(原曲はSKE48)、「ナギイチ」(原曲はNMB48)、「12秒」(原曲はHKT48)と、姉妹グループのシングル曲を矢継ぎ早に披露。そこに最新公演の表題曲「誇りの丘」を交えてから、ダイナミックなダンスをフィーチャーした「RIVER」にてライブ本編を終えた。

 アンコールは「ナニカガイル」「みどりと森の運動公園」とピースフルな楽曲が続く。その後のMCでは北原が1年前との環境の変化について触れつつ、「去年と同じステージ(での公演)だけど、全然違うと思いました」とメンバー個々の成長を感慨深げに語り、荻野も「皆さんが(昨年と)同じ場所に連れてきてくれたことが、本当に幸せです」と涙をにじませながら話す。

 すると、突如スクリーンにて4月13日、14日に朱鷺メッセ・新潟コンベンションセンターでの単独コンサート開催を発表。地元・新潟での大規模公演はこれが初めてということもあり、このサプライズにメンバーからは喜びの声が上がった。しかも、14日の公演は北原の卒業コンサートになることも明かされ、北原自身も「自分なんかが卒業コンサートをやらせてもらえるなんて……」と声を震わせながらファンに感謝の言葉を送る。その姿に荻野や柏木をはじめとするメンバーたちも涙を浮かべながら、喜びを共有した。そんな嬉しい発表とともに、ラストはNGT48にとって大切な1曲「Maxとき315号」とともに、1年ぶりの単独コンサートを笑顔で締めくくった。

 NGT48らしい個性を確立させつつある今、彼女たちが新潟でのアリーナライブをどのように展開するのか。そしてキャプテンの北原卒業後、グループがどう変化していくのか。楽しみと同じぐらい心配もあるかもしれないが、少なくともこの日の公演を観る限りでは心配は無用。荻野や中井、本間、小熊などのメンバーが個々の存在感を増し、他のメンバーもそれに負けないぐらいの魅力を付け始めているのだから、間違いなく彼女たちの未来は青空のように開けたものになるはずだ。

(画像提供=(C)AKS)

■西廣智一(にしびろともかず) Twitter
音楽系ライター。2006年よりライターとしての活動を開始し、「ナタリー」の立ち上げに参加する。2014年12月からフリーランスとなり、WEBや雑誌でインタビューやコラム、ディスクレビューを執筆。乃木坂46からオジー・オズボーンまで、インタビューしたアーティストは多岐にわたる。

『NGT48 単独コンサート ~未来はどこまで青空なのか?~』
2018年1月13日 TOKYO DOME CITY HALL セットリスト

00. Overture
01. 世界はどこまで青空なのか?
02. 言い訳Maybe
03. 君のことが好きだから
04. やさしさに甘えられない
05. 下の名で呼べたのは …[研究生]
06. 青春時計 [チームNIII]
07. LOVE TRIP [荻野・菅原・長谷川・村雲・日下部・清司]
08. カッコ悪い I love you! [北原・西潟・本間]
09. ペラペラペラオ [柏木・佐藤・角・宮島]
10. 下衆な夢 [加藤・山田]
11. 鏡の中のジャンヌダルク [小熊・太野・長谷川・中村・西村]
12. ハート型ウイルス [菅原・中井・山口・奈良]
13. 大人になる前に [小熊・佐藤・菅原・長谷川・本間・山田・角・日下部・清司]
14. ぎこちない通学電車 [荻野・柏木・加藤・北原・太野・村雲・中村・奈良・西村]
15. 夕陽を見ているか?
~ダンスコーナー~
16. 僕の涙は流れない [荻野・小熊・加藤・菅原・中井・西潟・長谷川・本間・山口・中村・奈良・西村・宮島]
17. 佐渡へ渡る [荻野・加藤・太野・中井・西潟・村雲・山口・中村・奈良・西村・宮島]
18. 夜風の仕業 [柏木・佐藤・清司]
19. 未来とは?
20. ナギイチ
21. 12秒
22. 誇りの丘
23. RIVER

<アンコール>
24. ナニカガイル
25. みどりと森の運動公園
26. Maxとき315号

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