「キスマイVR」でコンサートを疑似体験? VRと音楽表現の可能性を探る

 表情や動きがぼやける場面も多く、画質に関してはまだ発展途上と感じる部分もあったが、薄暗い会場で激しく動いていることを考慮すれば、最低限のクオリティは保たれていると言えるだろう。“あの時、あのメンバーがどんな表情をしていたのか見たい”“あのシーンでどんな動きをしていたのか見たい”……そんな細かく、ワガママな要望も叶えてくれるのがVR映像だ。V6やKis-My-Ft2など、人気が高く、間近で姿を見たり、コンサートを体感できる機会の少ないアーティストは、VR映像を通じてコンサートを疑似体験する場を提供できる。

 またVRとは異なるが、最近では嵐がデジタルサイネージ展開でリアルな姿を見せ、ファンとの距離をぐっと近づけていたのも記憶に新しい(参考:『VS嵐』デジタルサイネージ展開は“体験型”広告の最新形? 国民性にマッチした仕組みがポイントに)。こうした例からも分かるように、今後は良質な音楽やパフォーマンスを追求するだけでなく、最新のテクノロジーを取り入れながら、新しい見せ方を模索していくことが重要になっていきそうだ。

(文=村上夏菜)

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