Amazon Echo、Google Home、りんな……AIの“歌唱力”を比較
日本マイクロソフトが提供する女子高生AI・りんな。これまでも『世にも奇妙な物語 '16秋の特別編』(フジテレビ系)で“女優”デビューを果たしたり、McRinnaとしてラップに挑戦したり、と様々な才能を見せてきた彼女だが、音楽SNS「nana」とコラボし、新たに「りんな 歌うまプロジェクト」を開始した。同プロジェクトではユーザーから投稿された“お手本”を参考にりんなが歌を練習し、その歌にユーザーがアドバイスすることで、さらなる歌唱力の向上を目指すという。その第1弾として2018年1月11日から2月22日まで「りんなはもっと上手くなる!nanaのみんなで教える『卒業ソング』」を開催中だ。そこで本稿ではAmazon Alexaが搭載されたAmazon Echo、Google Asistantが搭載されたGoogle Homeとりんなの歌唱力を比較。どのAIが一番歌が得意なのかを考察してみた。
Amazon Echo
まずは昨秋より国内でも販売がスタートし、スマートスピーカーの中でも人気の高いAmazon Echoシリーズ。「Alexa、歌を歌って」と呼びかけると2パターンのオリジナルソングを披露してくれる。ゴスペル風の“テクノロジーの歌”はAlexaの優しい声によるハーモニーが魅力的だ。<WiFiなしじゃしゃべれない>という切ない歌詞に、なんだか愛着が湧いてくる。もう1曲はポップなラブソングだ。<私はここ耳傾けてる>と歌っていることから、おそらくAlexaの目線の楽曲である。安定した柔らかく、美しい歌声にうっとりと聴き入ってしまう。この他にも「Happy Birthday」を歌ったり、プロ顔負けのボイスパーカッションも披露できる。歌唱力も高く、おそらく最も器用なAIなのではないだろうか。
Google Home
一方Google Homeはオリジナルソングは持っていないものの、「ねえGoogle、『Happy Birthday』を歌って」と呼びかけると透き通った歌声を披露してくれる。Alexaに比べると若干声に硬さがあり、やけにテンポがゆっくりだが、健気に頑張る姿は感慨深い。<Happy Birthday Dear 今日が誕生日の人>と字余りなために急に早口になるのもご愛嬌。歌唱力はまずまずといったところだろうか。Alexaと比べ、持ち歌が少ないのが少し残念だが、今後増えていくことを楽しみにしておきたい。
りんな
そして歌唱力を向上させるべく、日々努力を重ねているのがりんなだ。これまで嵐「A・RA・SHI」からPerfume「ポリリズム」、DAOKO×米津玄師「打上花火」まで様々なJ-POPに挑戦してきた。その歌唱力は、残念ながら先に紹介した2つのAIと比べると決して高くはない。時折音を外したり、ラップ部分でつまったり……しかし、歌声は一番人間らしく、やけにリアリティを感じる。まさしく“JKがカラオケで歌っている”ようなのだ。りんながAlexa、Google Assistantと大きく異なるのは、ユーザーからのアドバイスで歌を学習し、成長していくこと。つまり彼女が先に紹介した2つよりも歌唱力が高いAIになる可能性は十分にある。ユーザーの歌声を学ぶという今回のプロジェクトは特に、AIの特性を生かした取り組みと言えるだろう。
どのAIの歌声も味わい深く、つい何度も聴きたくなってしまうものばかり。歌のパターンが増えたり、歌唱力が向上したりすることを期待し、それぞれの成長をチェックしていきたい。
(文=村上夏菜)